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城南支部認定「中小企業SDGs支援専門家養成コース(第2期)」

~第2回の実施報告~

城南支部 秋山 誠一郎

7月22日、「中小企業SDGs支援専門家養成コース」第2回目の講座が開催されました。第1回目で自己紹介や懇親会などを通して受講者同士の仲間意識が形成されており、和やかな雰囲気の中で活発な議論が繰り広げられました。講座の内容は以下の通りです。

◆SDGコンパスの活用

SDGs目標を達成するためには、政府や自治体の取り組みだけでなく経済や雇用、環境に密接にかかわる団体、すなわち企業の協力が欠かせません。そこで、2016年にSDGs導入における企業の行動指針として作成されたSDGコンパスについて、その作成経緯や位置づけが解説されました。

SDGコンパスは5つのステップを提示しています。ステップ1「SDGsを理解する」では、SDGsとは何かについて知り、企業活動にとってSDGsがもたらす機会と責任を理解することが大切です。ステップ2「優先課題を決定する」では、バリューチェーンをマッピングすることで、各企業が持つ課題の所在を確認します。ステップ3「目標を設定する」では、ステップ2を土台にして目標の範囲を設定してKPIを選択します。その際に世界的な視点から自社の目標を設定する「アウトサイド・イン・アプローチ」が紹介されました。ステップ4「経営へ統合する」では、ステップ3で設定した目標を組織に持続可能な形で組み込んでいきます。ステップ5「報告とコミュニケーションを行う」では、社内外のステークホルダーに対してSDGsの進捗状況を定期的に報告しコミュニケーションを行います。

ステップ1の説明の中で、17目標と169ターゲットについて詳しい説明があり、中小企業がSDGsを実現するためのヒントが得られました。一方で、これらは国や自治体などに求められる行動であり、企業の取り組みは別途考える必要があることを認識しました。

◆SDGsの啓蒙活動

各受講者がSDGsの17目標から1つを選んで、模擬講演を行いました。目的は、中小企業向けのセミナー講師として、SDGs実現に向けた啓蒙活動を行えるようになることです。5分間のプレゼンテーションでしたが、講演スタイルや作成された資料には各自の工夫と熱意が感じられ、同じテーマでも様々な表現方法があることを知ることができ、大変参考になりました。

◆SDGs支援専門家の役割

中小企業に対するSDGs支援専門家の役割として、SDGs実現への啓蒙活動とSDGs経営のアドバイザーとしての支援の2つが挙げられました。そこで中小企業のSDGs経営推進を支援する方法について、グループに分かれて議論を行いました。

 

議論した結果、初めからSDGコンパスそのものを説明することには困難が伴うため、まずは現状の把握とゴールの共有をして伴走支援することが重要という結論になりました。具体的には、東京都中小企業振興公社が発行する「SDGs経営ハンドブック」のワークシートをベースにした質問票に記入してもらい、ヒアリングをしながら事業活動と関連する目標を選定し、その上で具体的な取り組みや数値目標を明確にしてSDGコンパスへと導いていく、という方向性が示されました。

今回も、前回同様に受講生同士の議論の中でさまざまな学びがありました。次回も受講者が模擬講演を行う予定です。今回の発表を踏まえて、各受講者が講演内容にどのような工夫を加えてくるかが大変楽しみです。

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