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城南支部認定「中小企業SDGs支援専門家養成コース(第2期)」

~第3回の実施報告~

中央支部 伊藤 光昭

8月26日(土)、品川区中小企業センターにおいて、城南支部認定「中小企業SDGs支援専門家養成コース(第2期)」の第3回講座が行われました。今回のテーマは「SDGsを経営に組み込む」で、講師は、本コース代表者の足立秀夫会員(城南支部)でした。前回に引き続き、SDGコンパスをテキストに講義が行われました。

最初のテーマは、「SDGsを理解する(ステップ1)」。今やだれもが知っている単語となったSDGsについて、専門家として単に「知る」だけではなく「理解する」ことを目指します。

外務省によれば、SDGsとは「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」です。これは単なる社会の発展を目指すばかりではなく、変革=Transformを目指すという重大な意味を持っています。この背景のひとつには、2001年から2015年まで設定されたMDGs(ミレニアム開発目標)が世界規模の問題に対応できなかったという反省があります。こんにちの地球上に山積する諸問題に対応するためには、「だれひとり取り残さない」という強い決意が求められています。

次に、企業がSDGsを経営に取り入れることの意義について学びました。現在、SDGsに積極的な企業は全国平均で53.6%、うち中小企業は48.6%となっています。

企業によるSDGsへの取り組みは、おおむね2021年ころから急速に進んできました。こうした企業のなかでは、実に66.8%がその効果を実感していることが明らかになっています。具体的には、企業イメージの向上や、従業員のモチベーション向上、さらには経営方針の明確化などがあげられています(日本経済新聞2023年8月16日(水)の記事より)

こんにちの企業におけるSDGsの受容には、2000年代のCSRや2010年代のESGの流れをくむ一方で、マイケル・ポーターの提唱するCSV(Creating Shared Value:共通価値の創造)という考え方がかかわっていると考えられます。これは、企業が社会課題の解決に対応することで、利益の追求と社会貢献を両立させる経営手法であり、有名な近江商人の「三方よし」につながる考え方とされています。

本コースの特色の一つが毎回の宿題です。各自がSDGsの17の目標から1つテーマを選んでセミナーの原稿やスライドを作り、その一部を発表します。今回が2回目。各々の個性や経験を活かして作ったコンテンツやプレゼンテーションから、お互いに学び合います。5分ほどでまとめるようにという指示が出ているものの、白熱して話し続けてしまう方が続出。かくいう私も時間が全然足りず、今回の内容は最終回のプレゼンテーションで再挑戦することにしました。

もう一つの特色として、実践的な内容のグループワークを盛り込んでいることがあげられます。今回のテーマは、『中小企業のSDGs経営推進を支援する専門家として、「SDGコンパス」や「中小企業のためのSDGs活用ガイドブック」をどのように活用していくかなど、今後の支援方法を考える』というものでした。私たちのグループでは、全体研修とカウンセリングを組み合わせた4回程度の研修案を考え、参加者のレベル合わせから、SDGsウォッシュへの対策、支援者としてのマネタイズに至るまでを提示しました。

2030年を目前に、SDGsへの理解と支援者の必要性は増すばかりです。ここに集う会員や仲間と、さらに学びを深めたいです。

 

 

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