城南支部認定「中小企業SDGs支援専門家養成コース」
城南支部 上村 洋文
第4回は、「優先課題を決定する」という内容での講義。今回の参加者は4名。
前回の「STEP1 SDGsを理解する」から次のステップ2になります。
1.講義の内容 優先課題特定へ向けて講義。SDG Compassを活用。
①購買・生産・物流・販売・サービスなどのバリューチェーン具体化
②自社強みを明確にする。バリューチェーンやSDGsの機会を念頭に置いて検討する。
③強みをバリューチェーンのフェーズ毎へ該当するSDGs目標をマッピングする。正(ポジティブ)と負(ネガティブ)影響を想定することが重要になるため、弱みも整理しておくことも必要。
SDGsの目標は国が主体的に取組むことに関連する点が多く見られるため、目標の背景を理解し社会課題へとブレークダウン、さらに企業のおかれている業界なども踏まえて支援できるとベスト。反面、情報量も多く理解度の不足も想定されるので、診断士として支援力をどう向上させていくか、経営者からどう情報を引き出しSDGs目標と合わせ込むかが課題になるのではと議論がありました。
④優先課題を特定するためのロジックモデルを活用してインプット、価値、アウトプット(アウトカム)を検討して施策へと展開する。ケーススタディとして、飲食業でのSDGsへ向けた社会環境と経済環境起点のアクションとして食材の調達から廃棄まで含めた検討。製造業ではDXやカーボンニュートラルの取り組みへサプライチェーンを含めた検討することを学んだ。
SDGs17の目標と169ターゲットをどうマッピングするか、取り組みのアウトプットは短期、中長期の時間軸、定量化できるもの定性的なものなどあり、このバランスを経営者と一緒に決めていくことが課題になると議論にもなりました。
2.グループディスカッション
「SDGsがもたらす機会と課題を活かす」ための優先課題と支援方法ついて実施。
診断士として企業を分析する上での考え方や手法(PEST、3C、SWOTなど)の活用と、業務分析へのバリューチェーンの棚卸や業務内容把握への層別(経営、マネジメント、現場など)やステークホルダへのヒアリングなどを行うこと。それらを整理して事業への正・負の影響を想定したマッピングを支援企業メンバーと実施していくこと。その中で優先課題を抽出していくなど、メンバー間で種々意見交換を行うことができました。
3.SDGs目標を選んで模擬講演の実施。
60分程度の内容で一部の10分程度を切り出しプレゼンし意見交換を実施。
・目標3「すべての人に健康と福祉」から健康経営の必要性とすぐに実践できる取り組みについてのプレゼン。人的資本経営やエンゲージメントとも深く係わるテーマであると情報交換を実施できました。
・目標13「気候変動に具体的な対策を」は2名が行い、どちらも製造業に対する脱炭素を中心とした取組事例を発表。目標13は中小企業では取り組みにくいとの調査結果もあるが、事例発表があり具体的な取り組みイメージが発表され共有ができました。
・目標16「平和と公正をすべての人に」は、その目標の必要性と経営テーマとして取り組みを発表。中小企業の事業への直接貢献はさらに議論や検討が必要だが、SDGsの本質を理解する上でも必要な内容であり経営者は理解、認識しておくべきとの議論がありました。
以上