1. HOME
  2. Members
  3. 会員コーナー
  4. 城南支部
  5. 城南支部認定「中小企業SDGs支援専門家養成コース」

城南支部認定「中小企業SDGs支援専門家養成コース」

~2024年度・第6回の実施報告~

城南支部 並河 洋平

SDGs養成コース第6回の講座を受講し、実施概要を報告します。

1.SDGs模擬講演
SDGsの17の目標から受講者がテーマをひとつ選び模擬講演をおこないました。発表後に講師と他の受講生から質問やフィードバックを受け、SDGsの各テーマについて理解を深めました。

2.中小企業のSDGs推進に関する実態調査
足立講師より中小企業基盤整備機構の「中小企業のSDGs推進に関する実態調査 アンケート調査報告書」に関する説明を受けました。

3.ファイン株式会社清水社長の講演
歯ブラシのメーカーであるファイン株式会社の清水社長から事業承継をテーマにSDGsへの取組みを交えて、事業内容や自社の取組みの紹介をしていただきました。

講演の内容は以下の通りです。
・竹の歯ブラシ製造事業について
生分解性樹脂という土に還る特徴をもつプラスチック素材と竹を融合して、環境にやさしい歯ブラシを製造、販売している。一時は採算が良くないことから販売中止を検討したが、化学物質過敏症の人たちから「やめないでほしい」との声をうけて、販売を継続している。

・組織変革の取組み
当時の社長であった清水社長の母から清水社長への承継にあたって、前社長への恩返しとして組織変革を目的に、次の取組を実施した。①仕事の分担見直し、②なるほど会議(社長がファシリテーターと書記を兼務しながら、社員の話を「なるほど」と頷きながら聞くことから命名)、③試算表で財務の勉強会。この結果、チームワークが向上し、清水社長への求心力が増すなどの効果があった。

・業務リストラクチャリング
清水社長が経営を引き継いだ時には、会社は生産性が悪く、非効率な状態であった。そのため、清水社長は業務の再構築に取り組んだ。具体的には、①歯科衛生士による口腔内の勉強会②フリーランスのデザイナーを社内に取り込んで、製品デザインを統一、③生産計画の徹底や資材発注、営業の見積書を社長承認に変更④採用はパートも含め社長が面談などの取組を実施し、生産性を向上させた。

・SDGsに関する取組み
社内勉強会、SDGsカードゲーム、本の読み合わせ、環境活動家を講師に招いての勉強会の実施を通じ、理解を深め、その結果、会社の在り方に関して、社員のベクトルが揃った。

また食品残さ、コーヒーがら、木材、竹などの製造工程の「もったいない素材」を生分解性樹脂と混ぜて、歯ブラシやゴルフのティーなどを一気通貫で生産化する事業は、多くのメーカーから引き合いを受け、成長が期待できる。一方で、引き合いに応えるための生産体制の構築が今後の課題である。

4.グループワーク
清水社長の講演をうけて、SDGs経営を支援するための提案をグループで話し合い、模造紙にまとめ発表しました。自社とSDGsとの関連を抽出し、強みを活かし環境対応などの取組みを進め、SDGs企業として価値を向上させることを提案しました。

5.SDGコンパス ステップ4「経営へ統合する」
足立講師よりSDGコンパスのステップ4「経営へ統合する」について講義がありました。
・持続可能な目標を企業の定着させるためには、経営トップの主導がとくに重要となる。
・次に重要なことはすべての部門に持続可能性を組み込むことである。

関連記事

アーカイブ