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城南コンサル塾20期 実務実習(飲食・小売)に参加して

城南支部 森貞 博貴

城南支部で実施しているプロコンサルタント養成塾「城南コンサル塾」の塾生6名(執筆者含む)が当塾の実践プログラムのひとつである、「実務実習」に参加しました。期間は2024年7月7日(日)から10月27日(日)で、岩崎彰吾講師(指導員)、義盛貴之講師(副指導員)が我々の指導にあたりました。
本実務実習の実習先は、目黒区に本社を構える、韓国食材を中心とした小規模の飲食・小売サービス企業でした。韓国食材の市場は近年のKカルチャーの浸透を受け、需要が高まっています。私は韓国料理を日ごろから好んでいたため、期待に胸を膨らませ、実習に参加しました。
実務実習生は20代・30代・40代・50代・60代と世代が全員異なる、非常に多様なメンバーとなりました。そんな仲間と迎える実習は、スタートから波乱を迎えるものとなりました。
その理由は、当初想定していた飲食業態の営業体制が7月28日(日)のインタビューまでの事前調査期間の間で、大きく変更することとなったためです。インタビュー時にその事実を聞いた我々は十分なインタビューをすることができませんでした。そのため、再インタビューを行うことで、なんとか確認すべき要素を押さえることができました。講師はこの状況に対し、「調査時から内容が変更となることは実際の支援の場でしばしば起こりうること」と教えてくれました。実習生にとって、このインタビューは「不測の事態に対し、いかに冷静に対処すべきか」を実践する良いシミュレーションとなりました。
インタビュー後には講師を交えて、振り返りを行いました。講師は「社長の話したいことを話してもらうだけでなく、本当に聞きたいことを掘り下げることが必要」とアドバイスをくださりました。私はそのコメントを受け、社長の発言に引っ張られてしまう点があり、十分な掘り下げができていなかったと気付きました。次回はより掘り下げを意識したインタビューを行いたいです。

実習先飲食店の絶品ヤンニョムチキン

 

インタビュー後、我々は報告書の作成を開始しました。作成にあたって、我々はまず外部環境分析、内部環境分析、SWOT分析・クロスSWOT分析を行い、報告書の方向性を話し合いました。視点の異なるメンバーとの対話を重ねることを通じて、新たな気づきを得ることができました。例えば、調査手法です。メンバー各々のこれまでの知見や経験が異なるからこそ、さまざまな方法を挙げることができ、大変参考になりました。コンサルタントの現場は、一人で完遂させる業務が多いです。そのため、他メンバーの調査手法を間近で見ることができる機会は非常に有益なものでした。
具体的な提言は短期、中長期に分けて検討しました。社長が報告書を読んだ後、すぐに動き出せることを目指し、具体性を深めることを意識し、取り組みました。そして、10月27日(日)の社長報告会に向け、何度も読み合わせを行い、本番にのぞみました。
報告会本番、社長は報告に対し、熱心に耳を傾けていただきました。そして、「これまでもわかっていたけど、言語化できなかったことだった。いただいた内容をもとにやってみようと思う。」と前向きな言葉をいただきました。

報告会の様子

今回の実務実習で私が最も驚いた点は、支援先の会社の状況が、実習開始から報告までの4ケ月の間で目まぐるしく、大きく変わったことです。改めて中小企業支援の環境の激しさ、スピードの速さを実感しました。そして、我々の提案が社長の経営の役に立つものとなるためには、より変化に柔軟に対応できるスキルを身に付ける必要があると感じました。
報告会後には実習全体の振り返りを行いました。講師は、「各々が主体的に動き、良い提案に結びつけたと思う。一方で、経営者が自走できるレベルでの施策の具体化はまだまだ改善できる」とアドバイスをくださりました。私はそのコメントを受け、報告会時に社長が「具体的にどうするの?」と質問をされていたことを思い出しました。そして、まだまだ具体化が足りておらず、改善点が多いことに気づきました。次回は具体性を今まで以上に深掘り、中小企業経営者にとって自走できる提案をしたいです。
メンバーからは、「多様なメンバーでありながら、助け合って相乗効果を出せる良い場だった」「より業界に詳しくなり、支援につながる良い場だった」との感想がありました。私もメンバーとの協働を通じて、知見が広がる有意義な時間だったと感じました。
本実務実習を通じて、社長、岩崎講師、義盛講師に大変お世話になりました。実習メンバーとも忌憚ない議論を交わすことができました。今回のご縁を大事に長い付き合いをさせていただければと思っています。

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