中小企業診断士による社会貢献事業(城北支部)について
「令和型商店街支援事業」台東区商店街連合会支援の報告
城北支部 鵜頭 誠
城北支部では、社会貢献事業として、「令和型商店街支援事業」を行っています。
本事業は、城北支部のうち、各地域から新たな支援ニーズのある商店街を支援するものです。今回は、台東区における「支援者を支援する」取り組み、台東区商店街連合会の支援についてご紹介します。
これまで城北支部では、商店街に対する個別的・直接的支援を基本とした商店街支援を行って来ました。しかし多数の商店街が、そこまで具体的な説明は必要でなくとも、最低限の施策情報の提供や組織運営のノウハウのポイントを知る必要性はあり、そのために多数の商店街に知見を届ける必要があります。
このような情勢を反映して、城北支部社会貢献事業である令和型商店街支援事業において、台東区商店街連合会という、商店街の支援組織を支援しています。
商店街にとっては平成の時代は失われた30年。この情勢に継続的に直面してきた商店街連合会は、組織的疲労もやむを得ない状況にあり、新たな息吹として外部の支援を必要としています。
中小企業診断士は、まずこれまでの商店街連合会の苦労をしっかり受け止める事が重要です。その上で、まずは組織に加盟することのメリットを見える化する支援が必要です。具体的には、例月会議の議題と時間管理、新たな商店街利用客層を見据えた商連販促事業の仕組み改善、区内キャッシュレス事業などの適時適切な情報発進などを行い、加盟商店街のメリット構築が重要です。
商店街連合会の事務担当者は少ない一方、上野・浅草といった広域の商店街の振興を担っています。このような状況から、本事業では、区の中小企業診断士会と連携し、上野、浅草の広域型商店街担当者を、それぞれ2名配属して、台東区商店街連合会全体の活性化と合わせて、広域型商店街との関係性を深めることとして支援のスキームをスタートしています。
また、既存の区内支援先商店街に対する商店街連合会への理解を促進する取り組みも重要です。区内においては、近隣型商店街に対する支援制度が区の事業において行われていますが、このような場における、ヒアリングを通じ、「商店街連合会に入らなくなったのはなぜか」「商店街連合会に求める支援や情報提供は何か」といった点を、各区商店街の会長からヒアリングし、商店街連合会にフィードバックしています。
今後、商店街連合会を通じ、単会では実現できない、「カレーパン選手権」や「商店街横串の飲食店バルイベント」など、単会商店街の体力の多寡に左右されず、各商店街に加盟する店舗が販促メリットを得られる取り組みや、キャッシュレス、インボイスなど、情勢に対応した施策の担い手として個店へその対応力強化を浸透させる取り組みの提案など、取り組む中小企業診断士の役割も高まると考えます。