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中小企業診断士による社会貢献事業(流通問題研究会)について

中小企業診断士に聞く!ハンドメイド作家のための経営セミナー開催報告

城西支部
太田 守彦

城西支部・流通問題研究会では、令和4年度から社会貢献事業としてハンドメイド作家支援活動を行っています。国内ハンドメイド市場の潜在市場規模は約1,400億円と言われており拡大傾向です。一方で、ハンドメイド作家は趣味の延長で副業として行っている人もいれば、プロのハンドメイド作家として本業で活躍している人もいるなどさまざまで、課題も少なくありません。

私達は、ハンドメイド作家への支援として1月29日の「ハンドメイド作品の魅力を伝える写真の撮り方講座」に続き、「中小企業診断士に聞く!ハンドメイド作家のための経営セミナー」を開催しました。セミナーは、2つのテーマから構成されており、1つ目のテーマは「どうする?作品の価格設定」とし、令和4年度社会貢献事業としてハンドメイド作家支援をリードしている城南支部の石川裕絵会員よりご講演いただきました。2つ目のテーマは「知っておきたい!トラブル防止のための法律知識」とし、城西支部に所属で弁護士の小松恒之会員よりご講演いただきました。

「どうする?作品の価格設定」では、①お客様が買う価格から考えるという視点で、「誰に」、「何を」、「どのように」を明確にした事業コンセプトを設定しながら、特に「誰に」を具体的に想定したうえで価格を設定する方法や、②作品にかかる費用から考えるという視点で、実例を踏まえて、材料費、人件費に注目した価格の算出方法を説明しました。両方を考えて納得いく価格設定を行う。迷った場合はお客様が買う価格を優先する。誰のための作品なのかを具体的にイメージをしながら決めることが重要であることをお伝えしました。参加者からは「ターゲット層を掘り下げたい。」とのコメントを頂きました。

「知っておきたい!トラブル防止のための法律知識」では、ハンドメイド作家はイベント会場、実店舗などでの売場で委託販売をするケースが多く、よくあるトラブルとして、①お金のやりとりに関すること、②作品の取り扱いに関すること、の2点を取り上げました。トラブルの原因は、契約書や申込書では、思惑と違うことが取り決められていたなど、思惑と現実のギャップから起こっていることをお伝えしました。トラブルの予防策は、約束ごとを文字に落とし込んで共通の理解とすることや「契約書」を結ぶことの意味、内容をわかりやすく解説しました。トラブルに巻き込まれたら一人で悩むことを避け、弁護士等の相談窓口に連絡するようにお伝えしました。参加者からは「今後は、相手に要望を明確に伝えます。」というコメントを頂けました。参加者の満足度も高かったため、ハンドメイド作家の皆様が抱えている課題に対して、私たち中小企業診断士ができることを、引き続き考えていきたいと思います。

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