城南支部国際部 国際ビジネス講座参加報告
城南支部 大島 正
2月19日(月)、城南プログラム連携、城南支部国際部主催の国際ビジネス講座「ASEANと台湾 化粧品と食品参入に向けた規制のポイント」が開催されました。城南プログラムは令和4年度から始動した城南支部独自の研修プログラムで、企業内診断士のキャリアパスや独立診断士の実務能力向上を実現するためのスキル習得を実現すべく、各部にまたがる連携した能力向上のカリキュラムを体系的に提供しています。今回の講師である清水こゆき氏は株式会社WWIPコンサルティングジャパンのコンサルタントとして、化粧品や健康食品を中心に輸出企業の現地行政機関への申請などを支援されております。
日本から近く、旺盛な需要を持つASEAN諸国は、輸出先として非常に魅力的な市場です。日本の高品質の製品は現地でも人気が高く、進出に成功すれば大きな成果が期待できます。一方で、経済成長とともにさまざまな規制の強化が進んでおり、輸出企業にとっては現地の規制に対応していくことが大きな課題となっています。
この講座では、化粧品と健康食品についてASEAN諸国に輸出する際の現地規制対応のポイントについてお話しいただきました。ASEANの共通規制であるACDの概要、製品情報データであるPIFの作成義務、イスラム教徒が問題なく飲食・使用できることを証明するハラール認証の取得など、専門的な内容をわかりやすく丁寧に説明していただきました。また、実践的な情報として現地での商品登録申請にかかる具体的な費用と期間についても、ご説明いただきました。中小企業が海外進出を検討するにあたって、費用と時間の見積りは非常に重要ですので、国際化を支援する診断士の方々にとって価値の高い情報だと思いました。そのほかにも、商品ラベルの記載可能な許容範囲を調べるため現地で店舗を回って商品調査した話や、タイ語が難しくて苦労された話など、実体験とユーモアを交えながらお話いただき、最後まで飽きることなく受講することができました。
講座後の質疑応答では、現地の責任会社の選定方法や、EMSで商品を発送する際の規制についてなど多くの質問がありました。今回のテーマに関する受講者の関心の高さを実感するとともに、実際の支援現場でもこうした知識が求められていることがよくわかりました。
今回は化粧品と健康食品がテーマでしたが、そのほかの商品を輸出する際にも同じ様に現地で様々な規制があることが考えられます。事前に輸出先の現地規制を調査して規制に合わせた商品開発を行うことや、規制対応の費用対効果を見積もることは、他の商品で海外進出する際にも生かせる重要なポイントであると思いました。
この講座を通じて改めて中小企業の国際化の難しさを感じるとともに、診断士がどのような支援ができるのかを考える良い機会となりました。今後この学びを活かして診断士としての専門性を磨いていきたいと思います。