SDGs経営支援研究会の11月度例会報告
~脱炭素経営について~
城南支部 安藤 一彦
私は2024年11月26日(火)に開催された11月度研究会例会に参加しました。全員で10名の会員参加があり、講師の佐藤誠吾会員から、テーマ「脱炭素経営について」の講和があり、以下にその概要を紹介します。
1. カーボンニュートラル宣言
1)2020年10月26日、菅内閣総理大臣は所信表明演説で、「我が国は2050年までに、カーボンニュートラル(以下、CNと略す)、脱炭素社会の実現を目指す」と宣言しました。
2)世界の国々、例えばEU、英国、米国も日本と同様であり、中国は2060年にCNを目指すとしています。
3)部門別のCO2排出量は、エネルギー転換部門は40.5%、産業部門は24.4%、運輸部門は17.8%、業務その他部門は5.5%、家庭部門は4.8%です。また、2022年度の電源種別の構成は、火力は72.8%、再エネは21.7%、原子力は5.5%となっており、火力の割合が多いのがCNの面から見た場合、課題です。
2.脱炭素経営に関する調査
1)中小企業の省エネ・脱炭素の「取組状況」は、東京商工会議所の調査によると、中小企業の7割が脱炭素に関する何らかの取組みを実施しており、取組みの上位は「省エネ」関係です。
2)脱炭素の「取引先などからの要請」は、中小企業の25.7%が脱炭素の取組みについて取引先から何らかの要請を受けており、「要請のない」企業は74.3%です。一方、「温室効果ガス排出量の把握・測定」を求められている企業は13.8%です。
3.経産省等のカーボンニュートラル支援策の紹介
1)従来のIT導入補助金やものづくり補助金などに加え、省エネ補助金、ZEB補助事業、CEV補助金、CN投資促進税制、太陽光発電設備等導入補助金、事業再構築補助金など、多くの支援策が用意されています。
2)東京都/振興公社でも、HTT(省く、創る、貯める)関係の支援事業が多くあります。
4.カーボンニュートラルへの対応ステップと支援策
・Step1「知る」:相談窓口 ← 省エネお助け隊、省エネ最適化診断、クイック診断
・Step2「把握」:CO2排出量を把握する ← 省エネお助け隊、省エネ最適化診断、クイック診断
CO2削減計画を策定する ← IT導入補助金、排出量算定ツール、SHIFT事業
・Step3「削減」:既存設備でCNに取組む ← 省エネお助け隊、省エネ最適化診断
設備の入替え、新設、増設 ← SHIFT事業、ものづくり補助金、省エネ補助金
再エネ電気を使う ← 太陽光発電設備等導入補助金
日本の公約)2030年度に温室効果ガスを2013年から46%削減を目指し、更に2050年にCNの実現を目指す