第20期城南コンサル塾実務実習(飲食業・小売業(ワイン))に参加して
城南支部 齋藤 英之
城南コンサル塾第20期の塾生6名で、秋山勇志指導員、曽根雄樹副指導員のもと実務実習に参加しました。実習先はイタリア料理店及び角打ち(※)付きのワインショップを運営する事業者です。同社の祖業であるイタリア料理店ではイタリアの小規模ワイナリーで生産されるナチュラルワインと高級イタリア料理店で修業したオーナーシェフである社長が調理する料理を提供しています。また、インポーター(輸入業者)とのリレーションを活かし、角打ち付きのワインショップを2店舗運営しています。
※ 角打ち(かくうち)とは、酒屋の店内で販売しているお酒をその場で飲むこと又はそのスペースを指します。
2024年8月21日のオリエンテーションの後、全6回の実習がスタートしました。
実務実習の初日は、社長及びワインショップの店長(1店舗のみ)へのインタビュー、店舗見学を実施しました。塾生各自がオリエンテーションで決定した役割に応じて事前準備を行い、インタビューを行いました。インタビュー時間に収まりきらないぐらいの分量の質問を準備し、インタビューに臨みましたが、報告書執筆段階において深堀りが甘かったことに気付きました。指導員のご指示のもと、自身のパートだけでなく全体の質問について回答を埋めることで、全体感を把握することができました。
実務実習の2日目は、初日のインタビューの振り返りと意見交換、残り1店舗のワインショップの店長へのインタビュー、報告書のアウトラインの設定を行いました。
実務実習の3日目から5日目は、現状分析と報告書内容及び作成状況の確認を行うとともに、あるべき姿、課題、問題及び問題点の抽出、アクションプランの検討を実施しました。この過程では、塾生のみでのオンライン会議を複数回実施し、コンサル塾で学習したロジックツリーなどを使い、意見を出し合いながら方向性を探っていきましたが、議論が拡散してしまい課題抽出などの難しさを痛感しました。当該会議の内容を実務実習で指導員に報告しフィードバックを受け、再度、塾生間で協議するというプロセスを繰り返しました。
実務実習の最終日は社長宛の報告会でした。社長も時折メモを取られるなど、熱心に聞いてくださいました。
この実習を通じて、私が学んだことは、主に以下の2点です。
1点目は、徹底的な現状分析なくして良い提案は行えないということです。指導員がおっしゃっていた「事業調査においては現状分析が8割」というのが、実感できました。社長が肌で感じている状況と財務などのデータから読み取れる状況の違いを細部まで追っていき、発生している現象の真因を掴むことこそ、現状分析であると認識しました。また、塾生は、売上が減少している、固定費が高いなどのマイナス面に目が行きがちですが、事業者のプラス面に注目することの重要性を指導員からのご指摘により気付かされました。
2点目は、報告書の記載内容には、一文一文意味を持たせるということです。現状分析においては、なぜ、そのことを報告書に記載する必要があるのか、それがどのような課題及びアクションプランと関連しているのかを考え、書きっぱなしにせず、事業者に何を伝えたいのかを意識しながら執筆する必要があることを学びました。
このような貴重な気づきの機会を作っていただいた、事業者の皆様、秋山指導員、曽根副指導員に実習生一同より御礼申しあげます。