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城南プログラム「現場に活かす海外展開支援実務的アプローチ」報告

城南支部 大島 正

2025年7年9月8日、渋谷区商工会館9階第一会議室にて、城南プログラム「現場に活かす海外展開支援実務的アプローチ」セミナーが開催されました。講師の二原経太氏は早稲田大学卒業後、独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)にて中小企業の海外展開支援に従事され、現在は総合コンサルティングファームにて世界各国の法規制に関するアドバイザリー業務を担当されています。明快な語り口と爽やかな笑顔が印象的でした。

海外展開と一口に言っても多方面におよびますが、本セミナーでは「輸出」に範囲を絞り、診断士が果たす役割と実務に直結する支援スキルに重点を置いて解説されました。セミナー概要を以下に報告します。

セミナー前半では、中小企業の海外展開の現状をマクロの視点から整理したうえで、ジェトロをはじめとする公的機関の代表的な支援策が紹介されました。日本では人口減少や国内市場の縮小が進み、今後の成長には海外進出が不可欠であるとの認識があるなかで、実際に積極的に取り組む中小企業はまだ限られているという現状が指摘されました。支援策については、特に「新規輸出1万社支援プログラム」「Japan Street」「Japan Mall」の3つが、無料で活用できる有効な施策として紹介され、海外展開を考える企業にとって第一歩となるとのことでした。

セミナー後半では、中小企業診断士の果たすべき役割と実践的な支援スキルが解説されました。具体的には、検討段階でのマーケット・規制調査、商談段階での資料作成支援や見積作成支援、フォローアップ段階でのバイヤー対応などがあげげられました。さらに、無料で活用できる調査サイトやジェトロ資料の紹介、商談資料の作成方法など、実務に直結するノウハウが提示されました。受講者からは「初めて知ったが活用したい」といった声もあり、実践的な学びとなったことが伺えました。加えて、海外展開における成功事例・失敗事例も紹介され、事業者がつまずきやすいポイント――市場調査不足、規制の見落とし、商談準備の不十分さ――などが具体的に示されました。これらを踏まえ、診断士がどう支援できるかが解説され、支援のポイントを明確に理解することができました。

講座終了後には、質疑応答が行われ受講者からはたくさんの質問が寄せられました。現在の支援先での海外展開に関するアドバイスを求めるものなど難しい質問もありましたが、講師は一つ一つ丁寧かつ的確に回答されていました。受講者の満足度は非常に高かったと考えられます。

最後に所感となりますが、今回のセミナーは、海外展開支援の経験が少ない私にとっても「自分にも実践できそうだ」と感じさせてくれる内容でした。診断士が現場で活用できる具体的なスキルと成功のための再現性あるノウハウを学ぶことができ、大変有意義なセミナーでした。これから海外展開支援を志す診断士にとっては、必見のプログラムであったと思います。

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