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コンサルティング・ビジネス研究会 StepUpマスターコース 第6回受講報告

城北支部 久保薗 伸一朗

2025年10月19日(日)、としま区民センターにてコンサルティング・ビジネス研究会(CB研)StepUpマスターコースの第6回講義が開催されました。当日は、本コースの課題である自主企画セミナーの準備から始まり、動画の活用、業種特化による差別化戦略と、プロのコンサルタントとして活躍の幅を広げるための実践的な講義が行われました。

1.自主企画セミナーの検討・準備(岩本 塾長)

講義の冒頭では、岩本塾長から自主企画セミナーの準備に関する指導がありました。特に強調されたのは「逆算思考」の重要性です。多くのプロジェクトにおいて、まず5年後、10年後に「どうなっていたいか」という明確なビジョンを描き、そこから逆算して現在すべきことを計画する手法は、企業の経営戦略では一般的です。しかし、個人のキャリアプランにおいては、この視点が欠けていることが多いとの指摘がありました。

その後、3つのチームに分かれて具体的なセミナー企画に関するディスカッションを行いました。各チームは企画内容を磨き上げ、その成果を発表し、講師からフィードバックを受けました。特に、セミナーのターゲットを明確に設定し、そのターゲット層に確実にリーチするための準備を早期に開始することの重要性について、改めて指導がありました。コンサルタントとしてだけでなく、一人のビジネスパーソンとしての長期的なキャリア形成を考える上で、非常に重要な視点を得る時間となりました。

2.動画の活用と制作手法の基礎(与田 講師・冨安 講師)

続いて、動画マーケティングをテーマに、与田講師と冨安講師のお二人にご登壇いただきました。

まず与田講師からは、「動画マーケティングの基礎」について解説がありました。「動画『の』マーケティング(動画自体を商品とする)」と「動画『を使った』マーケティング(動画を集客や認知拡大の手段とする)」は似て非なるものであり、その違いを理解することが第一歩であると述べられました。動画で成功するためには「知名度」「キャラ」「内容・量」の3要素のうち、少なくとも2つを満たす必要があるという分析は、非常に実践的でした。

また、一つの動画コンテンツをブログ記事やSNS投稿など多様なメディアで活用する「シングルコンテンツ・マルチユース」の考え方が紹介されました。音声認識技術の向上により、動画コンテンツの多角的な展開が容易になった現状を踏まえ、効率的な情報発信の重要性を説かれました。推奨される機材や初心者向けの編集ソフトの紹介もあり、すぐにでも動画制作を始められる具体的なノウハウが共有されました。

次に冨安講師からは、「『バカの山』で踊っちゃえ!」というユニークなテーマで、動画制作に踏み出すためのマインドセットについてのお話がありました。これは心理学の「ダニング・クルーガー効果」になぞらえたもので、完璧なスキルがなくても、まずは自信を持って情報発信を始める「バカの山の上で踊る覚悟」が重要だと語られ、自身の経験を基に、動画制作を続けることが認知度拡大とスキルアップに直結することを力説されました。特に士業の世界では、解説動画だけでも一定のニーズがあり、内輪でアピールするだけでも仕事につながる可能性があるという言葉は、多くの受講生の背中を押すものとなりました。

3.業種特化による差別化と成功秘話(小泉 講師)

最後の講義では、葬儀業界に特化したコンサルタントとして活躍されている小泉講師にご登壇いただきました。

小泉講師は、なぜ葬儀業界に特化したのか、その理由と実態をリアルな体験談を交えて語られました。業種特化のメリットを語る一方で、「1対1のセミナーで参加者に寝られてしまった」といった過去の失敗談も赤裸々に共有されました。そこから「自分の話を本当に聞きたい人は誰なのか」を徹底的に突き詰め、戦略を練り直した経験は、受講生にとって大きな学びとなりました。

続いて、具体的な戦術として、業界専門誌への売り込みとその後の関係構築の重要性を強調されました。業界内で「先生」として認知されることが、信頼と新たな仕事の獲得につながると述べられました。また、自社開催セミナーや、開封率の高いレターパックを活用したDM戦略など、すぐに実践できるマーケティング手法も多数紹介されました。長年の活動を通じて着実に事業を成長させてきた軌跡は、業種特化という戦略の有効性を明確に示すものでした。講義後のディスカッションでは、受講生からの質問に一つひとつ丁寧にお答えいただき、学びをさらに深めることができました。

今回の講義は、長期的なキャリアビジョン、最新のマーケティング手法、そして自身の強みを活かした専門領域の確立と、診断士として成功するための重要な要素が詰まった濃密な一日となりました。

 

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