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キラキラ橘商店街の名物店だった老舗コッペパン屋を復活

商店街研究会4月例会では、ランドブレイン株式会社 住宅・市街地グループ長 紙田和代氏をお迎えして橘商店街の名物店老舗コッペパン屋の復活についてお話をお伺いした。

1.老舗コッペパン屋の復活

ハト屋パン店の創業は、大正元年で建物は昭和2年築(登記)になる。2代目の高齢となった店主がコッペパン屋を営んでいたが、平成29年に他界、平成31年、建物を相続した息子さんが借地権(古家付き)の売却を決めた。取り壊してビルにする計画や建売住宅の建設計画があったため、看板を残すには建物を買い取るしかない状況であった。

キラキラ橘商店街の古くからの名物店が減っていくのを見かね、「ハト屋」の店舗を買収・改修した。ハト屋のご主人とは何のつながりもない単なるご近所の住人だったが、ハト屋の長年の積み重ねを途絶えさせたくない一心で、コッペパン屋の再興をめざした。味のある看板とガス窯を残してリノベーションを行った。

2.キラキラ橘銀座商店街 ハト屋再生プロジェクト

令和2年9・10月の向島EXPOの期間に、再現ハト屋プロジェクトでパン屋復活をPRした。パン屋&カフェとしての初期費用1800万円を年間約100万円、約18年で回収する計画で設備投資を行い、耐震改修リノベーション工事(900万円)を行った。

営業内容は、モーニングタイムは惣菜サンド+ドリンク、カフェタイムは生クリームサンド+ドリンクを提供、イートインの客単価は500円、夜のメニューはコッペパンラスク2~3枚+トッピングの300円で客単価2000円、近隣店との競合を避けるため食べ物中心で、飲み物はビールとワインのみにした。惣菜店の「くるみ」と連携した「商店街サンド」、たこ焼き店の「こんこん」とコラボした「タコッペ」など新たな商品が生まれ、人の流れも生み出している。コッペパンは他の食品店と連携しやすい。一番人気のメロンコッペは、商店街の人通りが少なくなる午後2時に焼き上がる。

現在は新たな担い手の開業費を実質ゼロにして、令和3年7月から若手ベンチャーに経営をバトンタッチした。

3.キラキラ橘銀座商店街でのリノベーション事業

ランドブレイン(株)は商店街の3つの空き店舗を買い取り、リノベーションしてマッチングする事業に参画した。①踏切長屋、2軒の長屋を改修した。名前は東武亀戸線の踏切のそばにあるためで、初期投資2.500万円、令和4年8月に2.500万円以上で、売却行う予定である。②ウラたちばな通り(仮称けん玉横丁)2軒長屋・コワーキングスペース企画を令和4年2月から実施した。

4.まちづくり会社「つながるたちばな」の設立

紙田氏を含め墨田区を定年退職した部長をはじめ6人で、各自50万円の出資金でまちづくり会社を立ち上げる。建売住宅の計画(2戸)があり、商店街通りに面した側だけでも購入して商店の連担性を維持する事業を墨田区から500万円の補助を受けて開始する。自身の保険を解約して借地権買い取り(1950万円)を行う。

商店街や建築だけでなく人・なりわい・歴史をつなげるエリア・マネジメントを行っていく、事業主体であり、インキュベーターであり、コーディネーター、セールス・プロモーターでもある。必要に応じて、戦略的に立場・事業参画形態を変える。

城西支部 鈴木 隆男

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