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中小企業診断士による社会貢献事業(公的サポート研究会)について

地域の支援機関に向けた支援機能向上サポートにかかる実施報告

城北支部 岩井 智洋

 コロナを発端とする厳しい経済状況の中、地域の支援機関では補助金や助成金などの対応が増加する一方で経営改善や事業再生、DXや事業転換への支援など高度で複雑な経営課題への支援が求められていますが、それらに対応できる支援人材は地方では限られています。そこで今回の社会貢献事業ではそんな地方の支援機関において不足する支援人材の解消の1つとして首都圏の企業に勤める中小企業診断士をマッチングして経営診断を行う事業を静岡県島田市商工会との連携・協力のもと致しました。   
 本事業については公的サポート研究会の会員と企業内診断士フォーラムの会員等にも協力を要請し、企業に勤める中小企業診断士14名が参加。それぞれ3チームに分かれ企業の診断を実施しました。
 キックオフとなる10月1日。現地訪問時には到着した島田駅では島田市の副市長や産業振興課長など行政職員も出迎え、激励をいただくなど今回の事業への期待と協力度合いの高さが感じられました。
 島田市の地域資源や観光資源を首都圏へ繋いでいく販路の方法や周知の仕方、ITを活用した販売手法などの提案は首都圏でIT企業や広告代理店などに勤務する中小企業診断士にとって専門領域であるとともに、各チームに商工会の職員が一緒に参画して支援を進めることで、今回の社会貢献事業の目的でもある『地域支援機関の支援機能の強化』として商工会職員の支援スキルの向上を図るとともに、今回参画した中小企業診断士のメンバーの多くはコロナ禍の中で苦慮しながらも頑張っている地域の小規模事業者の経営実態や支援機関の実情を学ぶ場となり、互いに相乗効果も得ることができました。
 10月1日、2日の現地訪問後はオンラインを通じて各チームで議論を重ね、11月26日に島田市商工会の会議室にて各チームが支援企業の報告会と今後の提案を実施致しました。この報告会には市の行政の方々や別地域の商工会の経営指導員などの関係者も参加した公開形式で実施し、各企業の経営診断に加えて今後の島田市の産業や地域のあり方、今回の商工会と診断士との連携事業のなども含めた活発な意見交換にもなりました。
 今回の社会貢献事業では商工会においては、通常の専門家派遣による企業支援ではなく首都圏の企業内診断士との連携によって、地域の支援機関が抱えている不足する支援人材を補うことができ、さらに様々な高度な経営課題に対応するための人的ネットワークも構築し、島田市商工会の支援機能の向上を果たすことができました。
 一方で企業内診断士も実務経験の場とともに、今回の連携事業においては兼業や副業という視点だけではなく、各人の勤務先を明記して頂くことで、実際に勤務している企業や行政への組織の還元にも繋がる事案が、参加した首都圏の中小企業診断士参加者には得られるなどして社会貢献事業を通じて、新たなビジネス展開などにも繋がりました。
【10/1:島田市副市長】の挨拶

【11/26:報告会風景】

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