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中小企業診断士による社会貢献事業(まちづくり研究会)について

アフターコロナのまちづくりを考える

城南支部
名取 雅彦

東京支部まちづくり研究会では、社会貢献事業として、アフターコロナのまちづくりに関する報告書のとりまとめを行っています。まちづくり研究会では、2020年3月にも最初の提言「アフターコロナのまちづくり-中心市街地活性化2.0-」をとりまとめ、関係者から一定の評価を得ることができました。今回はその後の状況の変化を再確認するために、アンケート調査と事例調査を実施し、新しい提言の策定を目指しています。統計分析やアンケート調査等も取り組んでおりますが、本稿では事例調査の中から、研究会メンバーで訪問した2つの事例について報告したいと思います。

最初の事例は、大都市圏郊外部における動向を先取りした愛知県豊田市の再開発ビルT-FACEの取り組みです。T-FACEは、まちづくり豊田(株)が運営する豊田駅前の複合商業拠点施設です。再開発ビルは百貨店が入居する豊田市の顔としての役割を果たしていましたが、2021年9月の松坂屋退店後、リニューアルに取り組み、2022年4月に新装オープンしています。リニューアルのコンセプトは「ライフセンター」。ショッピングセンターの枠を超え、遊ぶ・学ぶ・働く・出会う・交流する・癒すなど、日常のさまざまな行動に応える施設として、大型ショッピングセンターとは異なる施設ポジションの確立をめざした機能と空間が整備されています。

コロナ禍の中で、サテライトオフィスやテレワークの普及もあり、郊外部の都市では在宅勤務が増え、生活圏における人口属性が変化しています。「ライフセンター」を標榜するT-FACEにはシェアオフィスや、シェアキッチンなどの考え抜かれた機能が組み込まれています。企画担当者のお話をお伺いし、このような変化を先取りするコンセプトの重要性を改めて実感しました。

もうひとつの事例は、名古屋都心に位置する錦二丁目におけるエリアマネジメントの取り組みです。錦二丁目は古くから繊維問屋が集積していた地区ですが、立地産業の衰退に伴い、空きビル、空地が増加し、風俗街になる懸念もあったようです。こうした状況を変革すべく、錦二丁目では再開発を機に、エリアマネジメントの組織を確立し、将来的な街のあり方を見据えた構想、ビジョンのもと、魅力ある空間づくりやイベントなど、多様な取組を展開しています。また、企業や行政、大学など様々な主体が関わり、未来の地区・コミュニティの実現に向けた構想・研究・共創を進める実験の場錦二丁目エリアプラットフォーム(N2/LAB)も興味深い取り組みだと思いました。

大都市都心では業務機能の移転や人口流出が進む兆しがあり、停滞を回避するための取り組みの重要性が高まっています。社会課題の解決に向けてフィールドを提供するというN2/LAB、錦二丁目の取り組みは、大都市都心における変革に向けたヒント満載の取り組みだと思います。

この2つの事例に限らず、コロナ禍に伴い各地のまちを取り巻く環境が大きく変化しており、各地で新しい取り組みが輩出しています。こうした先行事例からたいへんよい刺激を受けておりますが、中小企業診断士としては、こうした先行事例から刺激を受けるだけでなく、刺激を与えるような新しい視点を提供できるように研鑽することが重要と気を引き締めるようにしています。

ライフセンターをコンセプトに掲げる再開発ビルT-FACE

再開発地区で、錦二丁目エリアマネジメント(株)名畑恵代表取締役と

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