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中小企業診断士による社会貢献事業(災害復興・災害支援)について

岩手県大船渡市における継続的な被災地支援

城東支部 藤田 千晴

このたび、社会貢献事業推進委員会の4名(渡辺英史、楠木一央、嶋内英郎、藤田千晴)は東京協会が災害復興まちづくり支援機構を通じて継続的に被災地支援をしている岩手県大船渡市を訪れ、3.11の被災事業者、発災当時の大船渡市幹部の方々、市議会議員に災害発生直後から今までのお話を伺うとともに、復興朝市のお手伝いをしてまいりましたので、ここに簡単に報告いたします。
まず、碁石地区にて鮮魚店シタボを営む被災事業者の村上様ご夫妻を訪問いたしました。シタボさんは海岸から100mほどに店舗兼住宅を構えていましたが、津波によってすべて流されています。発災直後の被害の状況を奥様にお話しいただくとともに、ご主人から当時の心境をお伺いしました。被災した当初、一度は店舗の復旧は諦めたものの、支援でやってきた中小企業診断士にさまざまな復旧施策と事例を紹介してもらったことで復旧してみようかという気になり、仮設店舗を経て本設店舗を少ない負担で建てることができて非常に感謝しているとのことでした。能登半島地震の被災された事業者の方々に対しては「なんとでもやりようはあるから、無駄に不安がらずに安心してください」とお話しになっていました。

シタボの奥様から被災当時のお話を伺う社会貢献事業推進委員
  左奥が本設の店舗

次に発災当時の大船渡市総務部長であった金野様、消防課長であった上野様、当時も今も市会議員である滝田様にお話を伺いました。市役所と市議会とも、今までに経験したことのない業務を少ない職員で発災直後からこなさなければならず、非常に苦労したとのことでした。その中でも一番気を遣ったのが、職員の心と体の健康でした。自宅が流出し、家人の安否が不明にもかかわらず、寝食を忘れて職務に専念して疲弊している職員に交代で帰宅してもらったところ、そのことで職員の気持ちがいくらか落ち着いたようです。しかし、市民の方々や議員さんたちが怒鳴り声を上げて市の職員に当たる姿があちこちで見られました。このことが職員を疲弊させて不安にする大きな要因だったため、市民の方々や議員さんに対して職員に怒らないようにと始終お願いしていたとのことでした。疲弊した職員に対して「頑張れ」という言葉は禁句でした。これ以上、何を頑張れというのか、という心境だったようです。なお、市議会と市役所の関係は日頃から良好であったため、各種施策の実施は非常にスムーズだったとのことでした。
最後に細浦地区の復興朝市のお手伝いをいたしました。細浦地区はJR細浦駅前の建物がすべて流失したものの、高台移転先が土地の問題で2ヶ所に分かれたため地域のコミュニティが分断される懸念がありました。そこで、もともと住んでいた駅前一帯が市有地の空き地となったので、月に一度、その場所で朝市を開催して元の住民の交流を深める取り組みを行うこととしました。コロナ禍で中断はあったものの復活し、日頃は分散して住まわれている皆様が元の場所に戻ってきて親睦を深めています。地域の皆様にとって心のつながりが維持できていることは非常に喜ばしいことで、皆様は朝市の提案や補助金の申請をお手伝いした支援チームに大変感謝をされていました。

細浦地区復興朝市の様子

このように東京協会は被災地に対する有効な支援を継続的に行っており、これらの知見を活かして能登半島地震など他の被災地への有効な支援も行っていきたいと考えております。
今後も会員の皆様のご協力、ご支援をお願い申し上げます。

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