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中小企業診断士による社会貢献事業(経営理論実践研究会)について 最終報告会実施 神石高原町版経営デザインシート作成研修

城東支部
金井 秀悟

2月1日(水)、広島県神石高原町の「経営デザインシート(以下KDSと記載)」作成研修の成果報告会が、町長以下幹部の集まる会議の場で開催されました。発表は研修に参加した町の職員のみで、我々はオンラインで見守りました。

本研修は、神石高原町の入江町長・森重副町長、研修事務局の政策企画課と議論を重ねながら企画した官民連携の取組です。「将来の町を支えていく若手・中堅職員が、町の将来ビジョンを構想しながら経営視点のフレームワークや考え方を学び、成果物としてKDSを作成する」、「考え方や作成ノウハウは、診断士が研修講師の形でサポートする」という理念のもと、研修を構築してきました。

受講者は自発的に手を挙げた全10名、講師は地方創生に関心を持ち、KDSや知的資産経営に知見のある、城東支部会員7名と元城東支部(現広島県協会)会員1名、計8名の構成です。昨年6月~2月までの9ヶ月間、現地訪問やオンライン形式で月1回の研修を重ね、11月には、「神石高原町版KDS」が一通り完成しましたが、12月は「KDS全体のおさらいと修正」「知的資産経営の総括」、1月は「報告会への準備」を行い、また、受講生が自発的に発表準備を重ね、発表会当日を迎えました。

受講生の発表は、堂々たる内容で、町の幹部の中には感動の涙を流す方もいらっしゃり、また、他の幹部の皆様からも「町の将来を真剣に考えてきたことが伝わる発表だった」、「KDSで言語化した内容を、将来の具体的な計画につなげていく後押しをしたい」、といった、好意的なコメントを頂きました。町長・副町長からは、「今回の研修参加者には、将来の町を担う人材に育って欲しい」、「来年度は、今回作成したKDSをベースに、次期長期総合計画策定の礎となるようなものに、ブラッシュアップしていきたい」、といった総評を頂きました。

2月7日には、受講生との間で振り返り会を開催、受講生からは「通常業務がある中での長期研修で大変だったが、充実した時間を過ごすことができた」、「バックキャストの考え方について理解が進むにつれ、自分の業務周りだけでなく、町全体の将来を考えるようになった」、「研修に参加し、自分達の取り組んでいる様子を見て、周りの職員に良い影響が出ているように感じる」、といった感想を聞くことが出来ました。

町では、「自発的に手を挙げた有志」のみを対象とする長期間の研修は、前例のない取組だったそうです。一方、我々も距離の離れた地方自治体の支援を行うのは、初めてのチャレンジで、自治体版KDSの前例がほとんどないなか、「町の発展に微力ながら寄与したい」、「自発的に手を挙げて参加してくれた受講生の学びにつながるものを提供したい」といった思いで研修コンテンツを構築しました。

2月16日には、日本知財学会経営デザイン分科会にて、中小企業診断士側から見た、自治体版経営デザインシートKDS作成」支援活動の成果発表する機会を頂きました。「地方自治体によるKDS作成」、「都内の中小企業診断士による地方自治体支援」といった新たな取り組みについて、参加者に理解を深めていただきました。

来年度も、町の支援を継続する予定で、政策企画課と具体的な内容について協議を進めています。「KDS」や「知的資産経営」のノウハウを活用した地方自治体支援のノウハウ蓄積に向け、引き続き注力して参ります。

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