城西プロコン塾 チーム別診断実習報告~創業100年以上の歴史ある老舗仲卸業の再生に向けて~
城西支部
棚橋 史彦
2022年11月上旬から12月上旬にかけて、城西プロコン養成塾(以下JOPY)18期にてチーム別診断実習をおこないました。3チームに分かれての実習でしたので、私が参加したそのうち1チームの診断実習について報告します。
私たちのチームは、横浜市中央卸売市場で水産加工品の仲卸業を営む企業を担当しました。100年以上の歴史を持ちますが、近年は経営状況が非常に厳しく、多額の不良債権と借入金がある企業です。チームは、指導員1名とメンバー6名の計7名です。
まずは、企業概要と過去3年分の確定申告書を読み込んだうえで、リモート会議で指導員の先生から診断先企業の詳細をうかがいました。その内容を踏まえ、第一回目のヒアリングで質問することを分野別にまとめていきました。
その次は、横浜市中央卸売市場での第一回ヒアリングです。当該市場は、横浜駅から海側に向かい20分ほど歩いていき、タワーマンションなどの現代的な風景が途切れた場所にありました。
その翌日は、前日のヒアリングをもとにチームメンバーでSWOT分析をしながら提案の骨子を作成していきました。そして、緊急性の高いものから提案していくという考え方で、報告書の分野を「経営戦略・事業承継」、「財務分析」、「窮境原因特定・改善方向性」、「売上利益拡大戦略」、「IT化」の5つに絞り、それぞれに担当者を配置しました。
その翌週は横浜市中央卸売市場における月2回の一般開放日でしたので、朝早くから集合し、診断先企業のみならず市場内他企業の様子も実際に見て回りました。このときに販売担当者からうかがった話や店内の様子、また他企業の様子は、その先の提案につながることになり、とても有益なものとなりました。その後、一般開放が終わった午前10時過ぎから第二回ヒアリングを実施しました。今回はメンバーの担当分野が決まっていたことから、皆の質問がその先の提案を踏まえたものへときっちりと変容していたように思います。
その後、2回の打ち合わせを経て、報告会の準備を整えていきました。
そして最終日の報告会です。各分野において、すぐに手を付けやすいものからやや長期的なものまでの提案を用意し、それらを丁寧に説明していきました。特に手を付けやすい提案への反応はよく、うち2点の提案は「すぐに実行する」とおっしゃっていただきました。また、「全体的に具体的な提案をいただけてよかった」とのコメントもいただき、企業として今後を考えるよいきっかけになったとのことでした。私たちの提案が厳しい経営状況を打開する一助となればと願ってやみません。
私たちのチームでは、指導員の先生がメンバーの主体性を重要視してくださり、各メンバーの考えた提案を自由度高く報告させていただきました。各分野の担当も適材適所の配置となり、よい提案ができたと思います。
また、少人数チームでの診断実習は、初日の懇親会と最終日の打ち上げを含め、JOPY同期生との絆を深めることができたよい機会だったと思います。