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7月例会 巣鴨地蔵通り商店街の視察

城南支部 塩沢秀人

夏本番を実感する7月8日(土)の昼下がりに、商店街研究会は巣鴨地蔵通り商店街を訪れた。言うまでもなく、街の入口には江戸六地蔵尊の一つである真性寺が、少し進むと高岩寺(とげぬき地蔵)が祀られる、旧中山道沿いの商店街である。「おばあちゃんの原宿」と呼ばれて久しく、全国的に広く認知されるこの街に研究会会員も関心度は高めだったのか、いつもの月の例会より多い24名がJR巣鴨駅に集合した。

当日参加した会員はまず、商店街の南東端の白山通りから北西端の都電庚申塚駅近くまで、400m超を散策した。塩大福、赤パンツ、手焼きせんべい、金太郎飴、うなぎのかば焼き、洋傘、履き物、甘味喫茶など、「巣鴨へ行ったらここ」と知られる銘店が立ち並ぶ。さらに奥へ歩を進めると、グルメサイトの人気店や東京初進出のテナント店などにも出くわす。この日は猛暑で、来街者は年配者が少なめなのかもしれない。しかし若者だって、行ってみたらリピーターになる街だ。「とりあえず行って歩いてみよう」「何か新しいモノが見つかりそう」「どこで食事をしようか」「今日は何を買って帰ろうか」という想いは、老若男女に関係なく抱くであろう。

散策の後に、巣鴨地蔵通り商店街振興組合理事長の松宮秀明氏からご説明をいただいた。

(1) 当地の歴史

「地蔵通りは江戸時代の中山道の街並みそのままに、現在も幅員8~9mである。街道沿いに民家が連なっていたため、掘り起こせば町人の生活や商売の痕跡が出てくる。現在はビルの建替え工事のたびに、遺跡の発掘調査が行われる」、「とげぬき地蔵は明治24年に湯島から移転してきた。地蔵の命日である24日が縁日で、その後は毎月4日、14日、24日が縁日となって、参詣道に露店や屋台が多くなると、現在につながる盛況がもたらされた」

(2) 「おばあちゃんの原宿」と呼ばれること

「昭和の終わりごろからそう呼ばれているが、趣味嗜好が若くて、そのように認識されたくない年配者は多く、もはやマイナスイメージのネーミングでもある。多世代を惹きつけるセールスポイントを発信している」

(確かに、私たちは先ほど歩いて、若い層の来街者も多いと感じた。街や各個店のさらなる進化が興味深い。)

(3) 直近の状況、できごと

「コロナ禍で、グループ客や観光バス利用の団体客が減って、まだ回復していない」

「東京都の『未来を創る商店街支援事業』の支援対象に決定し、組合の会館建替えによって地域のコミュニティ・交流・研修などの機能強化を図る取り組みに着手している」

その後は、参加した会員による問いかけに対し、松宮氏から実情を開示いただいた。今回例会では特に組合運営に関する質疑が多く、極めて有意義であった。松宮氏によれば、①若手の商店主数名以上に対して組合の各事業の推進権限を付与し、順次理事に登用する方針である。②組合理事を50歳代で構成する目標を掲げている。③組合運営の円滑な展開を図るため、事務担当2名を配備している。こうした示唆は、私たちの今後の商店街支援において参考とするべき留意事項であった。

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