商店街研究会10月例会 JR高円寺駅-阿佐ヶ谷駅間の高架下商業施設の視察
テーマ:都市部の鉄道高架下空間の商業施設利用について
中央支部 鈴木文彦
10月7日、商店街研究会の月例会としてJR高円寺駅と阿佐ヶ谷駅間の高架下商業施設を視察しました。15時に鈴木隆男会長以下メンバー11人がJR高円寺駅前に集合。講師役を務めた商店街研究会の齋藤 彰会員の説明を聴きながら、高円寺駅の東は環七通りと交差する地点から、西は阿佐ヶ谷駅に至る約2kmの高架下区間を歩きました。
視察対象の「高架下」ですが、これは土木構築物である鉄道高架橋の下の建築物を指します。建築物の天井は高架橋の床と離れ、天井を支える柱は高架橋の支柱と独立しているのがポイントです。敷地はJR東日本の所有で、高架下建築物はその子会社のJR東日本都市開発(JRTK)の所有です。JRTKが建築物を管理し、テナントに賃貸しています。今回視察した区間は1966年(昭和41)の中野駅・荻窪駅間の高架化にともなって整備され、実に50年以上の歴史を有しています。
さっそく高架下区間を高円寺駅の東側から見てみましょう。中央線に並行する芸術会館通りの歩道に沿って高架下建築物に入居するコンビニ、自転車店などが路面店形式で営業しています。事務所や倉庫も散見されます。
1.高円寺マシタ・高円寺ストリート
高円寺駅から雰囲気が一変し飲食店中心のテナント構成になります。ここから西に約300mは「高円寺ストリート」(高円寺駅西商店会)といい、駅に面した1番街から西端の7番街まであります。ただし2番街は2023年3月31日に再開発され「高円寺マシタ」にリニューアルしました。ケンタッキーフライドチキン他6店舗が入居しています。高円寺マシタのオープンと同時に1番街が閉業し、目下再開発中となっています。
再開発の区域から外れた2番街北辺、3番街から6番街にかけて昭和スタイルの飲食店街が残っています(写真)。1968年、南口に「ムービン」が開店したのをきっかけに、70年代にかけて高架下を挟んで南北にロック喫茶が集積しました。そうした背景もあって、高円寺ストリートが高円寺歓楽街の地理的な中心となっています。