中小企業施策研究会会員による 中小企業の施策活用支援の パネルディスカッション
中央支部 尾関 眞里子
中小企業施策研究会の会員は、さまざまな現場で中小企業支援を行っています。
7月10日(水)の例会では、3名の会員から、中小企業の施策活用支援に関わる仕事の内容、施策活用支援を行うメリット・デメリット、令和6年度の施策活用支援の特徴・狙い目・注意点など、令和7年度以降の施策活用支援に対しての意見を、パネルディスカッションとして、会場とオンラインのハイブリッド形式で伺いました。最後に、参加した会員との質疑や意見交換を行いました。
パネラーは、小林 仁会員(公的機関で経営相談を実施中)、長瀬 充寛会員(税理士資格をもち、中小企業向け税制優遇の支援を実施中)、中村 貴彦会員(補助金申請支援などを民間で実施中)、司会は牛嶌 一朗会員が、担当しました。
小林会員は、これまでの職務経験から、デジタル関連が得意であり、中小企業支援にもその強みを生かしており、日々の公的機関での経営相談における具体的な事例を紹介しました。多くの中小企業が資金繰りに困っていることを伝え、具体的な支援策や公的融資制度の利用方法について、特に、東京都中小企業振興公社が提供する無料相談の役割を説明しました。また無料が故の公的支援のメリット、デメリットについて述べました。さらに、デジタル化の推進についても言及し、企業がITツールを活用して業務効率を向上させる方法について具体的な事例を交えて説明しました。今後の施策のトレンドは変わらず、特に生産性向上がテーマであることを強調しました。
長瀬会員は、中小企業向け税制優遇の支援について話しました。税制優遇措置が企業のキャッシュフローに与える影響を解説し、具体的な対策について説明しました。特に、中小企業が利用できる研究開発税制や投資促進税制について具体的な事例を交えて紹介し、これらを活用することで企業がどのように競争力を強化できるかを解説しました。さらに、税制優遇の最新情報や今後の動向についても触れ、企業が常に最新の情報を把握し、適切な対応を取ることの重要性を話しました。
中村会員は、補助金申請支援の現場からの視点を伝えました。多くの中小企業が補助金申請のプロセスに困難を感じていることを指摘し、申請の課題について解説しました。また、申請が成功するためのポイントや、補助金を効果的に活用するための戦略についても述べ、事例を挙げながら、どのような準備や対応が重要かを具体的に示しました。さらに、今後の補助金制度や新しい支援策についても情報を提供し、企業が今後どのように準備すべきかについても提案しました。
パネルディスカッションを通じて、中小企業の施策活用に関する、具体的な事例や成功事例が共有されました。参加者からは、日々の支援のなかで生まれる試行錯誤を背景に、多くの質問や意見が寄せられました。各パネラーから提供された具体的な事例やアドバイスは、参加者にとって非常に有益なものであり、実際の業務において、役立つ情報が多く含まれていました。これにより、参加者は自身の業務において施策をより効果的に活用するための具体的な手法を学ぶことができました。さらに、会員同士の情報共有が促進され、今後の研究会においても、会員同士の連携が高まりました。