1. HOME
  2. Members
  3. 会員コーナー
  4. 城南支部
  5. 城南コンサル20期 実務実習(カメラ商材)に参加して

城南コンサル20期 実務実習(カメラ商材)に参加して

城南支部 中込 美津子

城南コンサル塾の実務実習に参加しました。対象企業の事業は、銀塩カメラの商材を扱う輸入卸です。尾上満郎指導員、湯山聡副指導員のもと、6人の診断士で実習を進めました。実習は2024年10月20日に初会合があり、11月11日に社長インタビュー、その後4回の会合で分析、課題、取り組みをまとめ、1月17日に最終報告を行いました。年末年始を挟みましたが、リーダーの綿密なスケジューリングのもと、最後まで気を緩めずに進められました。診断士の活動はどこにいっても男性が多いなか、当班は男女3名ずつと、よいバランスで、あらゆる視点から意見交換できたと思います。

城南コンサル塾の中で実務実習をする利点は、講義で事業調査報告書の作成の仕方を基礎からしっかり学んだ後に実習に臨める点だと思いました。学んだ中でも特に重要と感じたのは「仮説と論点」です。1度しかない社長インタビューに向けて、質問項目が発散しないよう、皆で仮説を立てて論点を絞り、じっくりと質問項目を考えました。インタビューは、社長ご自身も中小企業診断士でいらっしゃるので、実務実習の趣旨をよくご理解され、とても和やかに進みました。ある程度必要なことは聞けたと思っていましたが、尾上指導員からは掘り下げ方が足りないこと、社長が言っていることをそのまま鵜呑みにしないこと、ロジックに違和感を持った場合は掘り下げて質問することが大事と指導を受けました。確かに、そういった部分は報告書を書いていくうちに筋が通らない事がわかってきました。

おのおのが財務、外部環境、経営・人事、販売、コスト、業務プロセスに分かれて分析を行ったのち、会社の課題とあるべき姿、取るべきアクションにまとめていきました。難しかったのは、まとめる際に、各パートの個別の議論が必ずしも会社全体の課題に結びつかなかったり、重複も多かったりした点です。そこは仮説と論点に立ち返り、再度明確にするという指導のもと深く議論しました。副指導員からも、課題とあるべき姿の文言が曖昧とご指摘いただき、課題とあるべき姿の言語化についてはほぼ丸一日かけて認識合わせをしました。

会議室で終日課題とありたい姿を議論

今回、指導員と社長との関係性から、かなりの量のデータを頂くことができたため、分析には本当に時間をかけました。実習期間を通じて指導員は、かなり自由に議論させてくださいましたが、提言を単なる思いつきでなく、必ず分析した数字をベースにすることは忘れないようにと指導くださいました。そうすることで現場で長くやっている社長と共通言語で話せ、社長に対してものを言えること、説得力が増すことがその理由です。

最終報告は当初1時間半の予定が2時間半以上かかってしまい反省しておりますが、社長は、時間は大丈夫とおっしゃってくださり、時折「ふーん」「ほー」とおっしゃりながら、ところどころ報告書に線を引いたり丸で囲んだりしながら、熱心に聞いてくださいました。そして最後に、「ヒアリングの中で相違があった部分があるが、それでも短いインタビューをもとに、色々調べられて見事にまとめられた。自分も診断士なのである程度の数字は押さえてはいるが、忙しくてとてもここまではできない。」とおっしゃっていただき、メンバー一同嬉しく拝聴しました。

社長(後ろの左から2番目)を囲んで

この2ヶ月半の実習を通して得られた診断活動で肝となるたくさんの学び、また苦楽を共にした6人のメンバーとの関係は、何にも代えがたい財産です。理論を学びそれを即実践できる城南コンサル塾の中での実務実習は本当に貴重な機会だったとお思います。ありがとうございました。

関連記事