1. HOME
  2. Members
  3. 会員コーナー
  4. 城南支部認定「中小企業SDGs支援専門家養成コース」

城南支部認定「中小企業SDGs支援専門家養成コース」

~2024年度・第8回の実施報告~

城南支部 伊藤 光昭

2025年1月25日(土)、城南支部認定「中小企業SDGs支援専門家養成コース」の第8講座が開催されました。本コースは、①「SDGコンパス」の5つのステップをベースとして、コンサルタントに必要な知識やスキルを体系的に学ぶこと、②SDGs経営や先進的な取り組みを実践している企業の経営者を講師として招いてヒアリングを行い、内容についてグループディスカッションをしてさらに深い学びを得ることを特色としています。
今回のテーマは「経営への統合、事例研究」です。前回の講座でSDGコンパスの各ステップの内容についての解説が一通り終了し、本コースも終盤に差し掛かってきました。
1.午前中は受講者による模擬講演が行われました
本コースでは、SDGsについて講演を行うためのコンテンツとスライド作成が毎回の宿題となっており、講座の中では実際に一部を模擬講演します。今回は、経営戦略としての健康経営(ゴール3)や、再生エネルギーの調達についての具体的な取り組み方(ゴール7)、SDGsを経営に取り入れた企業価値の向上(全体)などといったテーマについての発表が行われました。どの講演も素晴らしかったのですが、私はSDGs全般を視野に入れたKさんの模擬講演が最も印象的でした。この講座の中のみならず、さまざまなところでSDGsついて考えてきたことがわかる発表だったと思います。また、健康経営について話されたSさんの模擬講演も、聞く人を引き込む力のある講演でした。
2.午後からは、ホットマン(株)坂本将之代表取締役に講話していただきました
ホットマン(株)は青梅市にあるタオルメーカーで「1秒タオル」で知られており、東京都中小企業振興公社発行のSDGs経営ハンドブックでも紹介されている先進的な企業です。「創造の精神で商品とサービスを革新し続け、タオル製品を通して一人でも多くのお客様の快適で心豊かな生活に貢献する」という経営理念に徹底して取り組み、「国内初のフェアトレードコットンタオル」を生み出し、「第19回グリーン購入大賞、経済産業大臣賞」を受賞しました。これをきっかけに自社がSDGs経営に取り組んでいることを認識し、ビジネスチャンスとして捉えるようになります。その後、SDGsについて社内での浸透をはかろうとしますが、職人気質な社員が多い同社での浸透はなかなか難しく、苦労されたそうです。しかし、対話を通して相互理解を深め、次第に社内全体にSDGsの考え方を取り込みました。近年ではその環境価値の高さから、様々な企業やホテルのノベルティなどの法人需要も生み出し、会社の成長と安定した経営に寄与しています。
質疑応答では多くの質問があり、とりわけ「どのようにしてSDGsの社内浸透をはかったのか具体的に教えてほしい」という点に質問が集中しました。坂本代表取締役は身振り手振りもまじえて丁寧に説明してくださいました。その手腕に、ヒアリング後のグループディスカッションでも「むしろ支援方法を考えるのが難しい」といった冗談ともつかない発言が出るほどでした。
当講座も残すところあと2回となりました。引き続き、有意義な講座となるように期待したいと思っています。

関連記事