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城南プログラム「爆速仕事改革!診断士のための生成AI活用講座(初級編)」受講報告

城南支部 牧野 正俊

4月8日、城南プログラム「爆速仕事改革!診断士のための生成AI活用講座(初級編)」が開催されました。講師の山田健会員は、大手広告代理店でマーケティングAI開発組織を執行役員として統括するかたわら、中小企業診断士としても生成AIを活用するエキスパートです。講義はAI初心者にとってもわかりやすく、また、その日から診断士業務に活用できる実例が多く含まれており、たいへん有意義なプログラムでした。以下に、講義内容のポイントを紹介します。

第1章 聞くに聞けない!生成AIの基礎
生成AIは実用検討フェーズに入っており、各プラットフォーム企業が様々な生成AIを発表している。一方で、生成AIは「考えている」のではなく、学習したテキストのパターンをもとに予測して出力しているに過ぎないため、誤りを含むこともある。テキスト、画像、動画、音声と、幅広く生成可能だが、ハルシネーション(誤情報の生成)や個人情報の取扱いには注意が必要である。また、利用にあたっては、プラットフォームのポリシー確認とオプトアウト設定(入力情報がAIモデルに学習されないようにすること)が重要である。

第2章 キーワード検索はもう古い!文脈検索で変わる情報収集
ChatGPTやGeminiのDeep Research、Genspark、Perplexityなどの生成AIは、インターネット上の複数のソースからデータを検索し、要約するサービスを提供している。キーワード検索に代わる文脈検索により、情報収集の効率が劇的に向上し、従来、多くの時間を要した業界分析や市場調査に関するレポートも、短時間で作成可能となった。

第3章 診断士向きの設定に!カスタマイズでAI回答をコントロール
ChatGPTの「カスタマイズ機能」を活用すれば、診断士としての専門性に沿った出力が可能となる。経営理論やフレームワークに基づいた回答や、提案とアクションプランを含む出力形式など、ニーズに合わせて出力でき、作業効率が格段に向上する。

第4章 生成AIが補助金のプロに!?文章ライティングとアウトプット
経営革新計画などの申請書作成支援では、ChatGPTに申請書の様式とインタビューメモを入力することで、ドラフトを自動生成できる。様式構成に沿って具体的な指示を出せば、より実用的なアウトプットが得られる。

第5章 Excel技術が爆上がり!生成AI活用によるデータ分析
生成AIは、関数の生成に加え、VBAコードの出力も可能である。複数ファイル・複数シートにまたがる集計作業なども自動化でき、大幅な工数削減が実現する。特に定型業務では、AIによる自動化で業務品質とスピードを両立できる。

第6章 押さえておきたい注意点
2025年は「エージェントAI元年」とされており、今後はAIがより自律的に業務を遂行する時代が訪れる。しかし、生成AIはあくまでツールであり、その活用にはリスクも伴う。業務利用においては、生成AI各社の最新ポリシーを確認したうえで、ハルシネーションの可能性や情報管理などにも留意しつつ、自己責任で活用することが重要である。

本セミナーでは、中小企業診断士が生成AIを活用し、業務効率化と提供価値の向上を実現するための具体的な方法を学ぶことができました。AIエージェントを使いこなすことで業務を効率化し、より高度な分析や戦略策定に注力することで、中小企業への支援の質を大きく高められることを改めて実感いたしました。

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