1. HOME
  2. Members
  3. 会員コーナー
  4. 能力開発推進部主催「2025年5月30日 能力開発基礎セミナー」 「補助金最前線2025」実施報告書

能力開発推進部主催「2025年5月30日 能力開発基礎セミナー」
「補助金最前線2025」実施報告書

中央支部 江波戸 良光

2025年5月30日(金)、中小企業会館にて能力開発推進部主催の「能力開発基礎セミナー」が開催されました。今回のテーマは、「補助金最前線2025」。診断士として、クライアントや経営者からの質問にしっかりと対応できる最新情報・基本情報を学べる実践的な内容とあって、会場とオンラインの両方で200名を超える中央支部能力開発推進部で最大の申し込みとなりました。

講師は、HKS補助金活用支援会の土佐林 義孝氏。企業内中小企業診断士でありながら、申請支援実績において豊富なキャリアを持たれています。「最初のクライアントから頂いた、『自社の事業計画を立てるとても良い経験になりました』という感謝の言葉を今でも忘れられない」という土佐林講師。この補助金支援業務に携わる熱い原体験をもってセミナーは始まりました。
セミナーでは、国の予算成立の仕組み、各補助金の内容を中心とした説明があり、途中で受講者の理解を確認するミニクイズを挟むことで集中力を維持できる工夫が凝らされていました。

セミナーの最初のパートでは、補助金の大本となる国の予算編成の仕組みについて説明を頂きました。国の経済方針は「骨太の方針」を中心に決まってくることを丁寧に解説。骨太の方針は政府の重要課題や、年末の予算編成の方向性を示すもので、毎年6月に閣議決定されます。 骨太の方針を見れば政策の重点ポイントがわかるため、診断士として必見であると強調されていました。
その後は、ものづくり補助金を筆頭に、それぞれの補助金の特徴や、過去の補助金からの変更点を中心に丁寧に解説されました。特に、事業者からよく聞かれる疑問点として、「補助対象経費」「補助対象事業者」について重点的に補足いただきました。申請直前になって「対象外だった」となった場合は、申請に関わる全員が様々な損失を被るため、非常に重要なポイントだと強調されました。

「補助金に関する専門知識の入手方法」では、必ず公募要領などを熟読し、専門知識を得ることを前提に説明されました。加えて、実務に係ることで知識がインプットされる点を強調されていました。土佐林講師自身も常に公募要領を確認することを意識されているとの事でした。
また、小規模事業者持続化補助金について、生成AI「補助金Express」を利用すれば下書きを簡単に行え、ブラッシュアップまでできるとして、診断士のAI活用について踏み込んだ提案がなされました。
質疑応答タイムでは、会場から3件、Zoomでも6件の質問が寄せられ、非常に興味深く熱心に話を聞かれていました。「未経験の小規模の支援先が投資を抑えて最大限の成果を出す方法」や「支援サービス提供の価格や詳細」など、支援先の視点に立った、実践的で踏み込んだ質問が相次ぎました。
「補助金申請支援は、経営者と共に一緒に未来を描く夢のある仕事。2~3年後に成長した姿で再び支援に携わった経営者と再会することもこの業務の面白いところです」と語る土佐林講師。補助金申請の醍醐味を楽しそうに語っている姿が印象的でした。

アンケートでも、「補助金概要・補助金申請の情報の取り方、注意点が明確になった」「補助金支援に対する認識が良い意味で大きく変わった(経営全般の支援に関われる業務)」「企業内でもやりやすい補助金の領域があることを知れた」といった声が多数寄せられました。
今回のセミナーがきっかけとなり、参加者の皆さんが補助金申請を活かした新しい診断士スキルを身につけ、自らのビジネスにも積極的に取り入れていただければ幸いです。

関連記事

アーカイブ