1. HOME
  2. Members
  3. 町職員ワークショップ実施~広島県神石高原町版「知的資産経営報告書」作成プロジェクト

町職員ワークショップ実施~広島県神石高原町版
「知的資産経営報告書」作成プロジェクト

城東支部 佐々木 靜

11月20日(月)、広島県神石高原町版「知的資産経営報告書」作成プロジェクトにおいて、今年度4回目の現地訪問を行いました。神石高原町では、紅葉が過ぎてまもなく冬に向かう季節の凛とした空気が心地よく感じられました。

今回の訪問の目的は、これまでのキーパーソンへのインタビューや住民ワークショップを踏まえて作成した知的資産経営報告書のドラフト版を、プロジェクトに参加している町職員メンバーに深く理解してもらうことです。これにより、完成後の報告書を町職員の皆さんが町内外の方々に対して自信をもって説明できるようになることを目指しています。そこで、報告書を活用して神石高原町の将来ビジョンを実現するためには誰を巻き込んで、どんなことをしていったらよいかを、町職員によるワークショップで議論し、我々診断士がファシリテーション役を担いました。

報告書ドラフトを説明していく過程で、町職員メンバーは自分たちが知らなかった知的資産の存在に気づいたようです。私たちの取材を通じて、神石高原町は町長の人脈を中心とした多くの人的資産や関係資産があることがわかりましたが、その経緯や詳細を多くの若手職員は知りません。今回の報告書には載りきらないキーパーソンへのインタビュー内容も含めて、職員の皆さんと情報共有することにより、暗黙知を形式知化したいと考えています。
職員メンバーからは、「誰がこの報告書を読むのか」という観点からの意見も多く出て、ブラッシュアップのヒントを得ることができました。職員の皆さんが自分ごととして議論を深めたことにより、報告書が完成して終わりではなく、プロジェクト参加メンバーとして自ら説明をして広めていくことを意識できたのではないかと思います。

ワークショップでは、将来価値創造のためには、まず、町に関心の高い人から巻き込むことの重要性を説明しました。次に、誰に、どのように参画してもらったらよいかをディスカッションし、さまざまな所属課の参加メンバーが、専門分野や興味関心を生かして意見を出し合いました。具体的な人名を挙げて、どのように協力をしてもらいたいかについて、実際に行動に移せるレベルのアイデアが生まれてきたのは大きな成果でした。
また、今回のワークショップで、令和4年度経営デザインシート作成研修にも参加した若手職員が、新たに参加したメンバーを引っ張り、議論を活発にする様子がうかがえ、昨年度の研修の成果を実感しました。次世代を担う職員の成長の一助となることができ、我々診断士も喜ばしい限りです。

帰りは神石高原町から福山駅まで路線バスに乗りました。1時間ほどの道のりでしたが、神石高原町内のバス停から乗車した乗客は我々以外は1名のみで、バスが1日に8本しか運行されないという現実を、この旅で実感しました。人口減少に歯止めがかからない現状に向き合い、町を存続させるために、診断士の知見とノウハウを生かして、引き続きスピード感を持った対応で支援してまいります。

プロジェクトメンバー(五⼗⾳順、敬称略)
大石正明、金井秀悟、佐々木靜、佐竹聡、鈴木康文、宮田昌尚
吉原伸二(広島県中小企業診断協会)

関連記事

アーカイブ