【令和7年度社会貢献事業】~中小企業診断士による企業のSDGs推進の伴走支援

城東支部 鈴木 康文
令和7年度、城東支部では墨田区産業振興課と連携しながら、区内の中小企業等のSDGs推進の伴走支援を推進しています。
墨田区との連携は令和5年度から継続しており、初年度は、区が主催する「墨田区SDGsセミナー(全5回)」に、企画立案や当日の講師として運営協力してきました。続く令和6年度は主に、「すみだSDGsアワード」への協力を行いました。アワードは、墨田区内事業者のSDGsへの取り組みを推進するために設立したもので、企画段階からのアドバイスや、「SDGsワークショップ」の運営協力を行ってきました。
アワード受賞者の中で希望する企業に対しては、その取り組みを伴走支援するという特典があり、この伴走支援を城東支部の中小企業診断士が担っています。希望者は全4社で、城東支部内に広く参加希望者を呼び掛けて、今年度の伴走支援体制を整えています。
各社に対する伴走支援は、まず年度はじめに事業者・墨田区とミーティングを持ち、年度計画を策定しました。現在その計画に沿って、事業者・区とのミーティングや内部ミーティングを重ねながら、伴走支援を行っています。以下、各社の支援概要を紹介します。
(1)新井ハガネ(株)
当社は、「特殊鋼流通を通じ、日本のものづくりを支えながら、環境保全と持続可能な社会基盤の構築を目指します」として、SDGsの取り組みを推進しています。中小企業診断士の支援としては、SDGs推進支援にとどまらず、経営全般に対する伴走支援を行っています。特に、組織面の課題解決に向けた支援に注力しており、社長・幹部社員・一般社員へのヒアリングを進めています。
(2)(株)エー・ディー・ピー
アパレル製品のプリント工場で、製品一点ごとに「製造から廃棄までのCO2排出量=カーボンフットプリント(以下CFP)を計量・表示しています。CFP表示の商品が広まることにより、業界全体で消費者を巻き込みながら脱炭素化に繋げていく」可能性のある事業と言えます。こうした取り組みに対する一般社員への認知度向上が課題で、中小企業診断士の支援としては、「自社のSDGsに関する取り組み意義の理解促進」に資する勉強会実施の準備を進めています。
(3)(株)すみだ珈琲
自家焙煎のスペシャリティコーヒーを提供するお店です。コーヒーを抽出した後の「コーヒーかす」を有効活用すべく、国内の事業者と連携して「肥料化・堆肥化」を進めてきました。中小企業診断士の支援としては、この活動を地域により広く知ってもらえるよう、各種プロモーション支援を行っています。また、既存商品の販路拡大や新用途開発に向けた、各種調査・アドバイスを行っています。
(4)(株)SlowFast
サイズアウトしたこども靴を寄付で回収し、クリーニング・整備後に定額でレンタルするサービス「kutoon」を展開しています。中小企業診断士の支援としては、「墨田区と連携し、区内保育園への子ども靴回収箱設置」「子ども靴に関するアンケートの実施と分析」「各種イベント出店に対する支援やアドバイス」などを行っています。
年度後半にかけても、有志メンバーで構成する各チームにおいて、経営者に寄り添った伴走支援を進めて参る所存です。
(図表)すみだSDGsアワード受賞企業 伴走支援対象者の概要

以 上