1. HOME
  2. Members
  3. 会員コーナー
  4. 三多摩支部TAMA活性化支援グループ 「経営オープンセミナー」1部 大型補助金の概要と省力化投資補助金申請のポイント2部 企業内DX推進の手順「1日15分」から始めるDX

三多摩支部TAMA活性化支援グループ 「経営オープンセミナー」
1部 大型補助金の概要と省力化投資補助金申請のポイント
2部 企業内DX推進の手順「1日15分」から始めるDX

三多摩支部 村松 真

三多摩支部「TAMA活性化支援グループ」は10月21日(火)、経営オープンセミナーをオンライン開催。今回は二部構成で、第1部は阿部代表が大型補助金の最新動向を整理し、第2部は半田会員が“1日で始めるDX”を実演しました。
第1部では、事業再構築補助金が13回公募で終了した経緯と、制度再編後は賃上げ関連の目標未達時に返還が求められるなど運用が厳格化している点を確認。各制度の骨子を俯瞰しつつ、とりわけ省力化投資補助金の審査観点(省力化指数、投資回収期間、付加価値の伸び率、オーダーメイド設備性)を具体の様式・記載要領とともに解説しました。さらに、汎用設備であっても周辺機器の組み合せや機能追加により自社専用化と高い省力化効果を説明できれば「オーダーメイド」と見なされ得る運用が示され、採択に向けた設計自由度の広がりが共有されました。加点策では、成長加速マッチングやえるぼし/くるみん、事業継続力強化計画、地域最低賃金引上げ特例などの活用を推奨。あわせて、今年度から「カタログ型」に加え「一般型」が追加され、現場課題に即した投資計画を柔軟に描けるようになった意義が討議されました。いずれも“高すぎる目標は返還リスクを招く”との前提に立ち、根拠ある目標設定と客観データに基づく省力化・回収計算の提示が要諦だと総括しました。
第2部は「DXは目的ではなく手段」を合言葉に、会場参加型のミニ実験を実施。Googleフォームで“お店決めアンケート”を即席作成し、QRコードを配布して回答を集約、その場で自動集計まで可視化しました。メール往復やExcel集計に比べ、準備・回収・共有が一気通貫で省力化されることを参加者全員で体感。さらに、製造業の紙日報・不適合報告、サービス業の事前ヒアリング、飲食店の顧客満足度調査などへ横展開できる“現場起点の小さな一歩”を数多く提示し、スマホ入力→即データ化→共有というシンプルな流れが合意形成と定着を後押しすることを示しました。まとめとして、「まずは15分の工夫」でムダな転記・探索・待ち時間を一つ減らし、浮いた時間を構想・提案に充てる循環を作ることが、生成AI等の先端ツールの効果も最大化する――という実務的メッセージが強調されました。
質疑では、一般型追加による“使いやすさ”や対象拡張、返還リスクを踏まえた現実的な目標設定、プロセス課題起点の投資設計、現場巻き込みの進め方などが議論になりました。紙ベースの業務にはAI-OCRやフォーム活用を組み合わせる提案も共有され、診断士の役割として“現場の合意を設計し、小さな成功体験を積み上げる伴走者”の重要性が再確認されました。今後も当グループは会員主体の継続的な学びの場を通じ、地域中小企業の生産性向上と経営力強化に資する実務知を発信していきます。

第1部:事業計画書作成の参考ガイドから

第2部:「15分」で始める意識改革

関連記事

アーカイブ