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城南支部会員部イベント「東京臨海広域公園見学ツアー」開催報告

~防災体験学習ツアーを通じて中小企業のBCP支援を考える~

城南支部 黒田 智子

2025年6月29日、城南支部会員部主催の「東京臨海広域公園見学ツアー」が開催されました。6月とは思えない猛暑の中、22名もの参加者が「そなエリア東京」に集合。この施設は、地震発生直後72時間を生き抜くための知恵を学ぶ災害体験学習施設です。能登半島の復興支援など、社会貢献活動を行っている城南支部らしいイベントではないでしょうか。
イベント開始前、会場に早めに集合した参加者同士が、東北や熊本、能登などの被災体験や教訓について語り合い、イベントに向けた心のウォーミングアップを始めていました。そして、定刻どおりにイベントが開始。まずは会員部員をリーダーとした5~6人ごとのチームに分かれ、会場内を見学。
私たちのチームリーダーは、同施設を訪れるのが今回で3回目となる方です。頼もしいベテランに先導され、本館の屋上庭園へと向かいました。ここから一望できる東京臨海広域公園は、大規模災害が起きたときに緊急災害現地対策本部が設置されることから、ヘリポートが完備されています。この立派なヘリポートを使用するような事態が起きないことを願うばかりです。緊急災害現地対策本部のオペレーションルームについては現地に行かずとも目にすることが可能です。映画「シン・ゴジラ」の中で、巨大不明生物対策本部として登場しています。初代からゴジラは、度々自然の怒りや震災の象徴として描かれています。その「シン・ゴジラ」の撮影場所が、このオペレーションルームであることは、なんとも感慨深いことです。
そしてもう一つ、アニメ「東京マグニチュード8.0」も紹介しましょう。震災で日常が失われる様子を描いた作品であり、「そなエリア東京」では全11話を18分に編集し、無料公開しています。イベント後の懇親会では参加者同士で感想を語り合い、平穏な日常の大切さや防災意識を改めて考えさせられました。
施設内には他にも「津波避難体験コーナー」や「事例に学ぶ自助の知恵コーナー」など、多くの学びの場があります。「事例に学ぶ自助の知恵コーナー」では、QRコードを使って災害時に役立つ知識を持ち帰ることができました。紙で食器を作る方法や空き缶でご飯を炊く方法など、リーダーから次のコーナーへと促されるまで、参加者は皆、あれもこれもと自分に必要な情報を熱心に収集しました。
見学のメインは「東京直下72h TOUR」。地震発生後から72時間を生き抜く体験学習ツアーです。参加者各自にタブレットが渡され、震災直後のビルの中からスタート。参加者はクイズ形式で判断を重ねながら先へ進みます。皆、生き残るために必死に回答。今回は体験なので誤答しても命に影響はありませんが、実際の災害時には一つ一つの選択が生死を分けることになります。なんとも恐ろしいことです。ここでの学びは、大きく二つあります。一つは、日頃から震災時の連絡方法を家族と共有しておくこと。特に災害用伝言ダイヤル「171」は忘れてはなりません。そしてもう一つは、助け合いの循環です。体調不良時は我慢せず声に出す勇気をもつこと。そして、元気になったら他者を助けること。これが皆で生き延びるための術なのです。
「東京臨海広域公園見学ツアー」は一歩ごとに学びがある充実した内容でした。日本は地震による津波、ビル倒壊、山崩れなど、多様な災害のリスクを抱える国です。そして、私たち中小企業診断士は常日頃から災害に備える意識を持ち、継続的にBCPの提案を行っていかなければならないのです。
最後になりますが、今回、このような貴重な学びの場を提供してくださった会員部見学型イベントチームの皆様には心から感謝申し上げます。今後のイベント開催も楽しみにしております。

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