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城南プログラム『人と組織を変革に導く「組織開発ファシリテーション」入門』開催報告

城南支部 飯田 茂人

2025年8月21日、城南プログラム『人と組織を変革に導く「組織開発ファシリテーション」入門』が開催されました。講師の森淳会員は、マネジメント力の評価、リーダーシップ開発という普遍的な人材育成分野に10年以上携わってこられ(延100社超・7,000人超)、組織変革ファシリテータ、研修講師、エグゼクティブコーチなど多方面でご活躍されるエキスパートです。講義は組織開発の初心者にとって非常に分かりやすく、大変有意義なプログラムでした。以下に講義内容のポイントを紹介します。

●なぜ「人と組織」は変われないのか?
人や組織の変容を阻むのは制度の不備ではなく、「人の感情」「関係性の質」「対話の不在」。真に変化を起こすには対話と内省の継続的なプロセスが欠かせない。人と組織に本質的な変容をもたらすために、「人材育成」「チームビルディング」「組織開発」のアプローチがある。
●人材育成のチームビルディングの真実
人材育成はOJT、Off-JT、自己啓発の3本柱に加えて、①経験、②内省、③教訓、④実践という経験学習サイクルを回し続ける必要がある。
●ファシリテーションが「組織」を変える
組織・人材マネジメントの基本は、自分がいなくても組織が回り、人が育ち、成果につながる仕組みを作ること。今まで以上に組織開発ファシリテーションを実行できる人が求められている。組織開発ファシリテータとは、人と組織がよりよく働き、ともに成長していくための“場”や“対話”をつくる専門家。声にならない声をすくい上げ、対話を通じて“見える化”し、整理してつなぎ直す役割を担う。
●あなたが組織に起こしたい「変容」は何か?
組織開発ファシリテータとしての“卓越性”を確立するためには、①「対話」の技術、「問い」の技術、②人の感情や器、場の雰囲気(空気)を観察・理解するスキル、③ファシリテータとしての価値観の言語化、という3つの要素が必要。また、「問い」にはレベル感があり、組織開発ファシリテータ自身があり方(Being)を定めることが大切。
●具体的な実践例の紹介(チームビルディングと組織開発)
チームビルディングに有効なパーソナリティツール(心理テスト)として「DiSCⓇ」がある。人の「動機」、「欲求」の違いをD:主導傾向、i:感化傾向、S:安定傾向、C:慎重傾向の4要素のバランスで整理した理論であり、①自己認識と他者理解を深める、②チームパフォーマンスを上げる、③リーダシップの発揮につなげる、ことができる。
組織開発とは、単なる“手法”や“スキル”ではなく、「思想・哲学をも含めた全体アーキテクチャの再構築」であり、エグゼクティブコーチングや人材育成(階層別・目的別・業種別研修)などを段階に分けて数年にわたって実施すること。この長期的変革プロジェクトを水面下で支えているのが組織開発ファシリテータであり、必要に応じて他領域の専門家と連携しながら、問いを立て、対話を設計し、人と組織の変容を促す。

会場には多くの受講者が集まり、人に関するテーマの関心の高さがうかがえました。森会員の豊富な経験に基づく講義を通じ、組織開発を俯瞰し、その奥深さを理解できました。森会員、ありがとうございました。

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