三多摩支部TAMA活性化支援グループ 「経営オープンセミナー」
1部 「営業秘密保護」~仕組みづくりと運用の肝~
2部 診断士も押さえておきたい2026年版インボイス経過措置の変更

三多摩支部 北川 雅也
三多摩支部「TAMA活性化支援グループ」は2026年9月15日、経営オープンセミナーをオンラインにて開催しました。今回は二部構成で、第1部は平野徹治会員が“「営業秘密保護」~仕組みづくりと運用の肝~”というタイトルで、営業秘密保護の歴史や要件と体制構築について、第2部は古屋健会員が“診断士も押さえておきたい2026年版インボイス経過措置の変更”というタイトルで、インボイス制度の改正内容と実務対応について講演を行いました。
第1部では、①営業秘密保護に関する社会情勢の変遷、②現在における営業秘密の法的保護要件、③営業秘密保護体制構築の具体的ステップ、という項目に沿って講演が進められました。
2000年代初頭、国内大企業における重大な技術流出事件を端緒として、政府から「営業秘密管理指針」が示されたものの、その内容は網羅的で企業負担が多く、これに準拠しない場合には「営業秘密」として認められず、裁判でも不利になるという問題が発生。これに対し、2015年には不正競争防止法改正(罰則強化および非親告罪化)とともに「管理指針」も見直され、「最低水準」を示すものに転換されたという経緯について解説が行われました。
現在、「営業秘密」の保護要件は「非公知性」「有用性」「秘密管理性」の3点に集約され、特に「秘密管理性」が重要であり、その確保にあたっては、1.情報の区分、2.認識可能性の担保、3.アクセス権管理、がポイントとなるとの説明がなされました。
さらに、営業秘密保護体制構築のステップとして、1.情報の区分と表示、2.アクセス管理、3.秘密保持契約、4.AI利用ルール、5.形骸化の防止、が示されました。
第2部では、この10月1日に変更のタイミングが訪れるインボイス制度の経過措置に関し、その概要と実務対応について講演が進められました。
インボイス制度導入に伴う激変緩和策として、免税事業者からの仕入れについて一定割合で仕入税額控除を認める経過措置が取られ、当初は令和8年9月30日まで「仕入税額相当額の80%」、以降、令和11年9月30日まで「同50%」控除が認められた後、制度廃止予定だったところ、令和8年改正により令和10年9月30日まで「同70%」、令和12年9月30日まで「同50%」、令和13年9月30日まで「同30%」控除と制度が緩和されたことについて、まず解説が行われました。
一方、小規模事業者における「2割特例(売上に係る消費税の2割を納税)」は予定通り令和8年9月30日を含む課税期間まで(暦年課税の個人事業者は令和8年12月31日まで)で終了し、令和9年分から(令和9年分・令和10年分の2年間)は個人事業主のみ「3割特例」が新設されたことに言及があり、業種によっては「3割特例」より簡易課税が有利な場合もあること、さらに「2割特例」を利用していた法人は一般課税・簡易課税の選択を迫られるが、簡易課税選択の場合は原則2年間変更できないため、慎重な判断が必要であることについて説明がなされました。
質疑では、第1部向けとして、生成AI活用において法人契約であれば提供情報について学習には使用しない旨、規約に明示されているが、リージョンの観点から難色を示す組織もあること、第2部向けとして、自分たち個人事業主における特例可否などが議論され、盛会のうちに講演を終えました。

第1部講演資料より:「客観的認識可能性」のルールについて

第2部講演資料より:インボイスの「2割特例」が「3割特例」へ