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三多摩支部 TAMA活性化支援グループ
第103回経営オープンセミナー

三多摩支部 光武 晋一

TAMA活性化支援グループは、令和5年9月19日(火)に第103回経営オープンセミナーをオンラインにて実施しました。テーマおよび講師は、【第1部】「カーボンニュートラルの動向と中小企業支援策」下垣 豊 講師、【第2部】「賢い補助金申請の仕方・事業者とのつきあい方」田村 雅司 講師、進行役は阿部 令一氏が務めました。

 

第1部は、カーボンニュートラル(CN)に焦点を当てたテーマです。CNは温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させる目標であり、国際的な取り組みが進んでいます。日本でも2030年度に2013年度比46%の減少を目指し、2050年度には排出量ゼロを目指していること、事業者にも排出削減の責任が求められサプライチェーン排出量やバリューチェーンによる排出量の削減が必要であることなどが解説されました。また政府や自治体によるさまざまな支援施策や成功事例などの具体的な紹介がなされ、中小企業がどのように携わればよいか、事業者にとっても支援者にとっても大変学びのある内容となりました。

中小企業がCNに取り組むことのメリットについて、「競争力の強化」「光熱費や燃料費の削減」「知名度や認知度の向上」「資金調達が有利になること」「地球環境へ貢献できること」をあげ、様々な解説をおこないながらわかりやすく伝えられました。

 

第2部では、補助金申請のポイントや事業者との対応方法がテーマとなっています。「もの補助」を例にとり、補助金申請の実務についての解説が行われました。もの補助は多くの事業者が利用しやすい施策であり、働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入など、重要な施策への対応を見越した類型が用意されていることなどが詳しく解説されました。それに続く最近のもの補助の審査基準の傾向についての解説は、講師の多くの経験からとらえたポイントが詳細に説明され、大変参考になりました。

また支援者が行うべき事業者に対する支援のポイントについて、従来から支援の主となっていた事業計画書の作成だけでなく、制度理解や申請手続きにも及ぶべきであると強調されていたことが印象深く記憶に残りました。

初めて申請にチャレンジする事業者に対する支援への向き合い方について、補助事業はよりよい自社事業にむけた取り組みであるという動機と主体性を育むべきであるなど、事業者の補助金活用の心持ちを導く支援について熱く語られました。

 

質疑応答セッションでは、森林のカーボン吸収量、補助金申請の審査に求められる「実現性」や「競争力」の具体的な記述方法についてなどの質問があり、参加者間で有益な情報交換が行われました。

今回のセミナーは特に支援者にとって、CNの知識や、社会情勢の変化を踏まえた事業者支援への向き合い方など、昨今の事情を汲んだ大変示唆に富んだ内容となっていました。

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