1. HOME
  2. Members
  3. BCP・CSR研究会の6月度例会報告

BCP・CSR研究会の6月度例会報告

~オールハザード型BCP策定ガイド入門(東京商工会議所版の解説)~

城南支部 岩水 宏至

 6月6日(木)に開催された6月度研究会例会に参加しましたので報告します。13名の会員参加があり、講師の安藤一彦会員から、「オールハザード型BCP策定ガイド入門(東京商工会議所版の解説)」についての講和がありましたので、その概要を以下に紹介します。

  1. BCPの基礎知識
    「事業継続計画(BCP)」とメインテーマである「オールハザード型BCP」の説明がありました。
    前者は、企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のことです。
    一方で後者の「オールハザード型BCP」とは、個別の災害や特定のリスクといった非常事態発生の「原因」ではなく、非常事態発生によって「結果」として生じる、例えば、要員の不足、停電、機器の故障、工場全体の操業停止、輸出入制限やサプライヤー被災による部品調達不足などの「経営資源(リソース)の毀損」に着目して考察するBCPです。
    事業者を取り巻くリスクが多様化・複合化するいま、あらゆるリスクに耐えられる想定をした「オールハザード型BCP」の重要性が高まっています。
  2. 「オールハザード型BCP策定ガイド入門(東京商工会議所版)」の対象と利用方法
    この章では、本BCP策定ガイドの「対象」と「利用方法」について、説明がありました。モデルとして入門編、基本編および上級編の3つの編がありますが、今回は基本編を中心とした説明でした。
  3. BCP策定の手引き(基本版)の概要
    1)復旧方針分析:本ガイドでは、BCP を文書の形にする前に、自社の個別の事業環境を踏まえた上で、策定する意義・目的を明確化し、大きな戦略等を構築する「分析プロセス」を「見える化」することの重要性が強調されています。この「見える化」がないと形だけのBCP となり、実効性が損なわれます。本ガイドでは、簡単にこの分析ができるように「復旧方針分析シート」が用意されています
    2)規程:基本方針、平常時の取組み及び緊急時の対応時の取組みについて検討します。
    3)初動対応俯瞰表:災害が発生した直後の初動対応の局面では、発生した災害ごとに対応手順が異なりますので、各ハザードに特化した対応のとりまとめも必要となります。ここでは、主要なハザードである「地震」「水害」「感染症」についての対応手順が用意されています。
    4)手順書:BCPを運用する際に必要となる各手順書についてまとめたものです(基本版では任意)。
    5)課題管理表:ステップ1)~ステップ4)を作成する過程で、抽出された各種課題を担当部門ごとに一覧化した上で、課題を解決し対策を具体化する「計画」を立て、「進捗管理」ができる内容のフォーマットになっています。

関連記事

アーカイブ