1. HOME
  2. Members
  3. 城南支部開催 能登半島復興応援イベント 参加記

城南支部開催 能登半島復興応援イベント 参加記

「能登の鮨を味わいながら復興への想いと目指す未来を聴く」

城南支部 和木 美穂子

10月27日(日)に、城南支部会員部主催の能登半島復興応援イベント「能登の鮨を味わいながら復興への想いと目指す未来を聴く」が開催され、会員50名が参加しました。能登の地魚を使った寿司を頂きながら復興に関する講演を聴く体験型イベントで、お腹も心も満足のひと時でした。

講演者はテレビ東京「ガイアの夜明け」などに出演されたことのある医薬品会社アステナHD(東証プライム上場)の創業4代目、岩城慶太郎さんです。2021年に本社機能の一部を石川県珠洲市に移したメリットとして、都心とは異なり規制が少ないため新規事業の立案・実験がしやすいことを、ドローン飛行や陸上養殖を例にわかりやすく説明していただきました。同地では、少ない事業資金でも一定需要があり、ビジネスとして成立していることから、日本中で地方創生の可能性があることを示唆されました。また、一般社団法人「能登乃國百年之計」の副理事長も務められ、今年1月1日の震災から現在までの状況や取組みを、独特のユーモアを交えて説明してくださいました。住宅への給水や二次避難の支援、指定避難所以外へのケアなど、行政の手が届きづらい支援を臨機応変に提供しつつ、関係者とのネットワークを効果的に活用されました。震災からようやく復興の兆しが見え始めたところに9月21日~23日の豪雨被害が発生し、ゼロに戻るどころかマイナスになったこと、地震と水害では災害の性質も与える被害も異なること、報道やSNSでは被害情報が受け手の印象に残り易い一方で、実際には生活や経済活動を再開している面もあること、公助の有用性に触れつつ、公助だけでは再建が難しいため上述の法人設立をされたことなど、学ばせていただきました。100年後を見据えた再建には、地域の若手がリーダーシップを持つことにより、描くビジョンがより現実味を帯びるそうです。企業経営における外部環境変化と世代交代にも共通するものを感じました。現地で活動している方ならではの視点による説明のお陰で、能登半島の状況がよりリアルに理解できました。

また、店舗が被災し出張寿司職人として活動中の「鮨 津久司」坂津世史氏の美味しいお寿司に舌鼓を打ち、楽しませていただきました。13種類の握り寿司に加え、かんぴょう巻きなども追加で用意され、お腹いっぱい頂きました。飲み物は、能登産の温かいほうじ茶と、希望者には数銘柄の地酒が振舞われ、まるで利き酒のようでした。有料でクラフトビールを飲用された方は、独特の風味があったそうです。

質疑応答では、能登半島の復興に向けて私達ができる貢献として、①能登にも営業再開している企業などあるので、ぜひ能登を訪れ、消費により地域経済を潤し、被害だけでなく正しく情報を拡散すること、②中小企業診断士として、被災地の事業者が銀行の融資などに必要な事業計画書作成の支援をすること、を期待しておられるそうです。

有意義なお話を楽しく聴き、美味しいお寿司を頂き、心身ともに楽しませていただきました。岩城慶太郎氏、坂津世史氏、会員部の皆さん、どうもありがとうございました。この体験で、能登半島に行こう!という気持ちになった参加者も、少なくなかったと思います。

関連記事

アーカイブ