第20期城南コンサル塾 第9回講義開催

城南支部 中村 美音
2025年1月18日(土)、年明け最初の城南コンサル塾が開催されました。卒塾まで残り3回となり、いよいよ学びも実践的な内容が中心となってきています。
1限目は「中小企業のブランディング実務」をテーマに、津山淳二講師による講義が行われました。スライドを使用せず板書を活用した講義スタイルで、生の知見が直接伝わる刺激的な内容でした。笑いを交えた和やかな雰囲気の中で進行しつつ、ワークや発表を交えて緊張感を保つ構成が印象的でした。
講師は「ブランディング」を曖昧な言葉として捉えるのではなく、具体化して言語化し、クライアントと共有することの重要性を強調されました。これにより、対話において共通の基盤を築く重要性を再認識しました。
また、従業員向けのインターナルブランディングが中小企業に向いているという指摘には、大きな励みを感じました。表向きの演出だけでなく、従業員がブランドを体現することが信頼につながるという視点は、支援現場でぜひ活かしていきたいと感じました。
続く2限目は、秋山勇志講師による「地域資源を活用した商品開発」をテーマとした講義。現場経験豊富な講師から、基本的なアプローチと具体的な実践方法を学びました。事例を交えた講義では、顧客にとっての価値を重視し、その目線で商品を設計する重要性に改めて気づかされました。
また、商品開発における計画や戦略を言語化し、クライアントとの共有を進めるツールの活用方法も紹介されました。こうした言語化のプロセスは、直感や経験だけで進めがちな開発を、より体系的で効果的なものにする大切なポイントだと感じました。
午後の3限目では、「販路開拓の支援実務」をテーマに、田川幸平講師による講義が行われました。特に、クライアントや市場の視点に立ち、商品の魅力や価値を適切に伝えることの重要性を改めて実感しました。この過程における分析や手法は、クライアントの課題を具体化し、解決策を提案する際に活用できるものであり、大変実務的な学びとなりました。
その後は2班に分かれ、「デリバリー強化」をテーマに模擬講演を実施。講演内容を効果的に「届ける」ための技術や工夫を磨くこの時間は、講義を受けるだけでは得られない貴重な体験です。自分の課題を発見し、試行錯誤を繰り返す過程を通じて、スキルを向上させたいと感じました。
最後に、宇野俊郎東京協会副会長より中小企業支援のトピックスとして、「下請法改正」に関する解説がありました。下請事業者の利益保護の現状やその難しさが共有され、支援者としての視点をさらに深める機会となりました。
この日の講義を通じて、支援者としての姿勢や視点がさらに広がったと感じています。それぞれの講義が、抽象的な理論に終わるのではなく、実務に直結する内容だったことが印象的でした。城南コンサル塾の醍醐味は、こうした実践的な学びを積み重ね、支援現場で即活用できるスキルを養える点にあります。卒塾まで残りわずかとなりましたが、この貴重な学びの機会を最大限に活かし、得た知識を支援現場での成果へと結びつけていきたいと思います。