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中小企業診断士による社会貢献事業(働き方研究会)について

城南支部 武田 健

【今回の取組み】

会社を支えるのはそこで実際に働いている「人」です。「人」がやりがいをもって働くことは会社が持続的に育つ大きな要因の一つです。働き方研究会では、従業員がやりがいをもって働ける環境整備、従業員研修、採用支援などの人材活用支援を目的として活動しています。

令和4年度の社会貢献事業においては、特定の中小企業の診断で実践を積み、他の企業の支援へ応用できるスキルの構築に取り組みます。人材活用支援を必要とする中小企業・働き方改革を目指す中小企業の環境を整備することで地域活性化の一助となることを目的とします。

今回の取り組みでは働き方研究会に所属する海老沼氏が経営するエビヌマ株式会社をモデルケースとしました。オフィス家具、文具事務用品、事務機器の販売を主に行い、官公庁、一般企業、一般文具店に卸売りをおこなうほかに、小売店による一般消費者への販売もおこなっています。

【テーマの検討】

エビヌマ株式会社の当面の問題は残業が多い社員の働き方の改善でした。コロナ渦の影響など外部環境要因はあるものの、内部要因を中心に対応案の討議を重ねていきました。

最初にすべての社員の業務調査を行いました。年間12ヶ月の業務時間を調査し他の社員と突出して業務時間が多い3名の作業分析を行いました。全業務時間に対する顧客への接触時間の比率が少ないことが数値でわかりました。

この事実をもって社員へのインタビューを行いました。作業分析の結果を確認しながら業務内容に関する実態や悩みを教えていただきました。担当業務による仕事量の隔たりや、内勤時間の多くを割く見積業務が顧客ごとにバラつきがあることを把握しました。

インタビューの結果を経て業務分担もしくは業務そのものの見直しを進める必要を共有しました。

「仕事の負荷の隔たり削減し営業活動へ注力」を課題と位置づけ、社会貢献事業のテーマとしました。

【テーマの進め方】

テーマを掲げても実行するのは「人」です。留意すべき事項を検討しました。

・留意点①社員の腹落ち

自分のやり方を変えるには心理的抵抗があります。何かしら納得感ある理由が必要です。

・留意点②成功の可能性の高い事柄から進める

改善活動が継続せずに立ち消えした経験を持つ方も多いのではないでしょうか。広げすぎで手が付けられない状況を無くし、まず成功体験を継続へのモチベーションとする必要があります。

留意点を踏まえ、リーンシックスマグマを中小企業に活用する体系の構築を目指します。ムダを排除して業務効率の向上を図るリーン生産方式と、作業のバラツキを制御して高品質なビジネスプロセスの確立を目指すシックスシグマを組み合わせたマネジメント手法です。

この手法はお客様価値を重要視し業務を選別します。業務の無駄に焦点を当てるのではなくお客様目線で進めます。「留意点①社員の腹落ち」へ対応しています。

この手法は個別の業務改善へ適応ができます。「留意点②成功の可能性の高い事柄から進める」へも対応しています。

【今後の活動】

現状の業務フロー分析を進めていきます。

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