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中小企業施策研究会3月例会
~中小企業がよく使う支援策・支援機関 報道の視点から~

中央支部
野村 剛

3月14日の例会では、一丸忠靖会員をお招きし、「中小企業がよく使う支援策・支援機関 報道の視点から」をテーマに講演いただきました。

一丸会員は、日本経済新聞社で松本支局長や多摩支局長を歴任され、多くの中小企業への取材経験をお持ちです。また報道機関の立場と中小企業診断士としての視点から、よく利用される支援策や支援機関について、豊富な知見をお持ちです。

【よく使われる支援策】として、取材経験からの私見として以下の支援策を紹介いただきました。

1.ものづくり補助金
・中小企業が使う補助金の代表格
・採択率過去4割 今は6割程度
・1社で同一年度でも複数回採択されている企業もある

2.小規模事業者持続化補助金
・いろいろな枠がある(時勢にあわせて変化)
・採択率は6割くらいで比較的通りやすい印象のある補助金
・持続化給付金(コロナ禍当初)と勘違いされることもあった

3.事業再構築補助金
・最大80百万円(従業員101人以上)と規模が大きい
・ただし、事業計画書は認定支援機関とまとめる必要がある
・採択率は5割以下で推移

4.小規模事業者経営改善資金融資(マル経)
・景気動向に関係なく一定のニーズがある
・リーマンショック時は需要が急増、緊急保証制度融資などと並行して使われた
・一方、コロナ禍ではゼロゼロ融資が使われたため、あまり活用されなかった

5.IT導入補助金
・2017年スタート
・コロナ禍でテレワーク環境の整備なども対象となり、脚光を浴びる
・ハードが対象外なので、東京都の助成金の方が使いやすい面もある

6.東京都の各支援策
・国に類似する助成金が多い
・認知度が低いからかあまり使われていない。
・国の補助金と併用可(同一テーマはダメ)

【よく利用される支援機関】について、取材経験からの私見として以下を紹介いただきました。

1.商工会・商工会議所
・経営指導員が手厚くフォロー
・独自の取り組みの具体的な事例として
 ‐八王子 はちおうじ未来塾
 ‐立川  事業承継・引継ぎ支援センター
 ‐府中  販路開拓などさまざまな助成金制度を立案
・組織率は地域によってばらつきがある
 ‐全国平均は約6割、多摩地区は4割前後、東京23区は2割弱

2.日本政策金融公庫
・「創業時に一番頼りになる金融機関」
・支援メニューが豊富
 ‐各種創業者向け融資あり
 ‐事業承継を仲介する事業承継支援室あり

3.信用金庫
・メインバンクとしての存在感
 ‐特に多摩地域では多摩信金が圧倒的
・独自の支援策を展開する信用金庫もある
・具体的な事例として
 ‐多摩信金 ブルー・グリーン賞
 ‐西武信金 ベンチャーキャピタルを持っている
 ‐城北信金 プレスリリース配信サービス

4.市区町村
・各自治体がその地域にあわせた支援策を展開
・具体的な事例として
 ‐府中市  空き店舗対策、賑わいの創出とか販路開拓など中小企業への支援策充実
 ‐多摩市  企業誘致奨励金
 ‐墨田区  若手経営者育成ビジネススクール フロンティアすみだ塾

導入の現場や実例などについて、過去の日本経済新聞の記事を示しながら説明いただきましたので、大変説得力があり、臨場感のある内容となっていました。

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