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商店街研究会11月定例会報告

区と連携したキャッシュレスの導入について

城西支部 月田 逸郎

商店街研究会の11月定例会は、11月11日(土)に東京メトロ丸ノ内線「新中野」駅から歩いて10分ほどの鍋横区民活動センターで行われました。鍋横大通商店会の白井会長と高橋副会長に「区と連携したキャッシュレスの導入について」のお話を伺いました。

1.鍋横大通商店会について
白井会長から鍋屋横丁と呼ばれ地元に密着した商店街の紹介をしていただきました。ちなみに鍋屋横丁と呼ばれる地名の由来は鍋を売る店が沢山あったからではなく、堀の内のお祖師様(杉並区堀之内妙法寺)の参道の入り口にあたる当地で、大変繁盛した『鍋屋』という茶店屋があったところからこの地名になったといわれています。以前は商店街の中に映画館がいくつかあり、浅田次郎さんの「メトロに乗って」という小説の舞台にもなりました。

2.商店街キャッシュレス普及キャンペーン事業について
中野区区民部産業振興課の方から鍋横大通商店会へ「商店街キャッシュレス普及キャンペーン事業」のお話があり、東京都の補助事業に採択されることを前提に検討が始まりました。本事業は、商店街キャッシュレスの普及を希望する商店街に対し「店舗向けキャッシュレス相談(勉強)会」、「消費者向けキャッシュレス推進イベント」、「キャッシュレス決済機器導入支援」をパッケージ化してキャッシュレス化普及キャンペーン事業を実施する取り組みです。

3.鍋横大通商店会キャッシュレス化事業への取り組み
次に高橋副会長兼事業部長からキャッシュレス化事業の商店街としての取り組みについてお話を伺いました。商店街として検討した内容は以下の通りです。
(1)マルチ決済端末を商店街で用意し、希望店舗に貸与。商店街として決済端末機器を統一することにして、キャッシュレス決済事業者はAirペイに統一しました。
(2)機器設置・設定、使用方法、データの活用方法などの支援について各店舗へのアドバイザー派遣を行いました。例えば、Wi-Fiのない店舗に対して相談ができる環境などを提供しました。
(3)商店街では、カードリーダーの他、モバイルプリンタ、iPadを用意し、貸与することでキャッシュレス決済が可能となりました。
鍋横大通商店会では、東京都の補助金応募前に1回目のアンケートを実施し、中野区から派遣されたアドバイザーによる説明会、勉強会を行いました。その後、商店会のメンバーで各店舗を手分けしてまわり、24店舗で導入の確認がとれた時点で、東京都に応募を行い、都庁でプレゼンを行い、令和4年度35商店街の応募のなかから13商店街が採択を受け、鍋横大通商店会はそのなかの1件として採択されました。採択後、会員向けの2回の説明をアドバイザーが行い、各店舗の方からの感触もよく、最終的に29店舗で導入することが決まり、運用が開始されました。

4.本取り組みの良かった点や導入の成果
・「どのお店に行っても安心してキャッシュレスで買い物ができる商店街」を目指してキャッシュレス化を検討、導入したことで商店街の活性化につながっています。
・現金取引は減っていますが、売上の減少にはつながっておらず、若者の利用が増加しています。
・導入にあたってさまざまな相談ができるアドバイザー派遣により、ITリテラシーの高くない方にも敷居が低く取り組みやすくなりました。
今回の鍋横大通商店会のキャッシュレス化事業は、補助金を活用した有効な取り組みと考えられます。

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