社会科見学同好会開催報告
中央支部 松尾 啓子
社会科見学同好会(SKD)は、2024年6月に中央支部で新たに発足した同好会です。記念すべき第1回は、2024年11月30日に開催された「おおたオープンファクトリー2024」を訪問しました。これは、モノづくりの高度な技術や経験豊富な職人と触れ合うことができる、年に一度の工場見学・体験イベントです。2024年のオープン工場(新田丸・蒲田エリア)は、20工場以上ありました。歩ける範囲内に工場が点在しているため、1日で複数の工場を効率よく巡ることができます。今回、参加した9名のほとんどが初訪問でした。
ある工場は、人工心臓開発プロジェクトに携わったり、視覚障がい者の方向けの蜜蝋のペン(描いて触れるペン)を開発されたりしていました。多様な分野から舞い込む「こんなモノがつくりたい」という相談に応え続けています。製品によっては、あまり利益が出ないかもしれませんが、世の中に必要な製品を作られている町工場があることを知りました。そして、大田区内では、モノづくりの協業体制が取れており、何かを作る依頼が来た時に「(自社では作れないけど)大田区の〇〇(他社)に頼めば、実現してくれるのではないか?という発想になり、紹介をする」という話を伺いました。
また、ある工場では「ねじのストラップ作り」を体験しました。職人さんの力を借りて、機械を操作してねじを作ります。そのねじに、好きな色のストラップをつけて、世界に一つだけのストラップを作りました。
参加者は、家族連れが多く、幼い頃から日本のモノ作りに触れる機会を持つのは、良いことだと感じました。見学させていただいた事務所や工場内にも、多くの学びがありました。事務所の全員が目に入る場所に「経営理念」が掲示され、経営理念の浸透を図られている様子が伺えました。工場内では、「整理整頓」といった5Sや注意喚起の張り紙、改善提案書が掲示され、カイゼンに取り組まれている様子も伺えました。
オープンファクトリーの工場見学は16時で終了しましたが、とても一日では全てを回りきれません。参加者からは「来年も参加したい」という声が上がりました。その後は、懇親会で盛り上がりました。
【ねじのストラップ】
【懇親会の風景】
また、翌月の12月13日(金)には、参加者からのアンケートを元に「振り返り」を行いました。イベントに行くだけではなく、その後「振り返り」をする、というのが、この同好会のポイントです。これも、自分では気がつかなかった視点や異なる視点に触れることができ、勉強になりました。 アンケートの中に「企業様から得られるものだけでなく、中小企業診断士の先輩である皆様方に同行する事で、同好会でありながらも鋭い視点やコアな知見、高度なインタビュースキルなどを間近で伺うことができ、駆け出しの身としてはこの上ない学びを得る事ができました」というコメントがありました。このように、診断士同士で学び切磋琢磨することを私たちの同好会は目指しています。
社会科見学同好会は、「やってみたい」、「行ってみたい」、「見てみたい」という会員の知的好奇心が源泉です。楽しい雰囲気の中にも、新たな気づきや学びを得ることを大切にし、今後もわくわくするようなイベントを企画していきます。