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城北支部会員部イベント 暗闇で育むコミュニケーション力
「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」体験

圧倒的な闇の中での気づき

城北支部 米原 淳一

「うわっ‼」いきなり迫ってくる純度100%の圧倒的な闇、闇、闇・・・・。どこからか漂ってくるマイナスイオンの香り(これは錯覚?)「皆さん、いかがですか?少し落ち着きましたか?」優しく響く視覚障害者のアテンドの声。(これからどうなるの?)
2月2日(日)に城北支部会員部のイベントとして「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」(以下、DID)体験会が開催されました。前日に心配された雪も小雨に変わり、弘田支部長をはじめ23名が参加し、新たな体験をしました。

DIDは1988年ドイツ人哲学者により発案され、これまでに世界47ケ国で開催され900万人が体験し、日本では1999年にビッグサイトで開催されて以来24万人が体験、700社以上の会社が企業研修に取り入れているとのことです。その目的は、視覚を奪われた状態でいろいろなワークをすることにより新たな気づきを得ることにあります。
最初に暗闇空間に入った瞬間の強烈な心細さ、その一方で、聴覚や触覚で他者の存在を感じたときの安心感といった新鮮な感覚、さらには、助けを求める自分の弱さなど、日常では決して味わえない貴重な体験をすることができました。
1グループ8名、3グループに分かれての体験であったため、終了後に場所を変えて昼食を取り、全員揃って振り返り会を実施しました。DID体験で気づいたこと、学んだこと、今後の中小企業診断士活動にどう生かすかなど、グループに分かれてワークショップ形式で忌憚のない意見を交わしました。色々な意見が出た中で、主要なものが下記の通りでした。
・声できちんと情報を発信すること(ぶつからないように、置き去りにされないように自分の位置
状態を相手に知らせる)ことの大切さ
・相手の立場を思いやって情報を発信することや受け取ることの重要さ
・フラットな立場でのコミュニケーションがより信頼感を生む(見えないことによって
普段言えないことがストレートに発信でき、それにより絆が深まった。)
・人は一人では何もできないこと、助け合う必要があること
・フラットな立場で、相手の立場に立って、きちんと情報を発信することが、
いわゆる伴走支援として求められていることそのものであり、その重要さを再認識した
さらに、ワークショップの中で、日景先生による「障害」についてのミニ講義があり、「障害は社会にあるさまざまな障壁が生み出しているもの」「それを取り除くのは社会の役目」という考え方(障害の「社会モデル」)も新たに認識することができました。中小企業診断士として、その考えを支援先に知らせることが必要であり、そのためには、より深い勉強が必要であるとの共通認識を持てたと考えます。
DID自体の体験のみならず、診断士としての視点の共有や講義もあったことで、「楽しかった」だけでは終わらない学びの場にもなり、新鮮で気づきの多い非常に有意義なイベントとなりました。

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