城南支部国際部 城南プログラム応用編講座 「儲ける力を加速させるグローバルサプライチェーン(SCM)実践」参加報告

城南支部 関谷 由佳理
2025年3月17日(月)に、城南支部国際部主催で、城南プログラム応用編講座「儲ける力を加速させるグローバルサプライチェーン(SCM)実践」が、渋谷区立商工会館で開催されました。2024年9月の基礎編を踏まえた実践編で、たくさんの方々がご参加されました。セミナーは全5章構成で、たくさんのお土産情報もご提供いただくなど、非常に情報が盛りだくさんで、満足度の高い内容でした。
前半部分担当講師の髙田浩一郎会員は、長年総合物流企業にお勤めされた物流のプロフェッショナル。後半部分担当講師の花岡環会員は、大手IT企業で調達やサプライチェーンに関する業務に長く従事され、海外駐在経験も豊富。まさにグローバルサプライチェーンのプロフェッショナルである2人から、経験に裏づけられた専門的な知識や事例を分かりやすく教えていただきました。
第1章は、髙田会員より、基礎編の復習や実践編のテーマ対象についてご説明をいただきました。
第2章は、髙田会員より、近年のサプライチェーンを語るうえで最も重要な「レジリエンス」について、図や事例で分かりやすくご説明をいただきました。リスクを「事前対応」・「事後対応」・「許容」に分類して対策を検討することの大切さや、中小企業の多くがリスク対策を講じていないという実情を学びました。
第3章は、花岡会員より、スループットの最大化について、基礎編の内容をより深堀りする形でご説明をいただきました。改善のポイントは、ボトルネックを見つけて解消すること。実は見えにくいボトルネックを見つけることが最も重要で、それをどのように見つけて、どのように改善していくかについて、企業の成功事例を通じて学びました。
第4章は、花岡会員より、コスト改善のポイントについて、ご説明をいただきました。「調達ポートフォリオ」や「ソーシングタイヤモンド」といったフレームワークの使い方や、実際にフレームワークを活用してコスト改善に成功した企業の事例について学びました。
第5章は、花岡会員より、第1章~第4章のそれぞれのポイントをご説明いただき、最後に中小企業診断士だからこそできることについて、ご説明をいただきました。
お土産資料として、髙田会員より、物流費を抑えるノウハウ集をいただきました。
サプライチェーンマネジメントというと、とても壮大で難しい話という印象でしたが、フレームワークを用いて現状分析を行い、ボトルネックを洗い出し、改善策を打っていくという流れは、通常のコンサルティングと何ら変わりはないことが分かりました。また、規模の小さな中小企業は、大企業と比べて全体を俯瞰しやすいため、取り組みやすことも分かりました。中小企業診断士が活躍できる分野の1つとして、サプライチェーンマネジメントへの学びをより深め、中小企業支援に活用していきたいと思います。