「第18回復興まちづくりシンポジウム」実施報告

~安心な住環境と生活のための復興準備計画~
城東支部 宮田 昌尚
「第18回復興まちづくりシンポジウム 専門家と共に考える災害への備え」(主催:災害復興まちづくり支援機構、共催:東京都)が令和7年8月1日(金)、東京都議会議事堂1階の都民ホールで開催されました。このシンポジウムは、首都直下地震などに備えるため、専門家職能団体が専門知識やネットワークを活かして様々な復興支援や事前対策について報告と提案を行うことを目的としています。
今回は「安心な住環境と生活のための復興準備計画」というサブタイトルのもとで基調講演とパネルディスカッションを行い、各分野の専門家団体関係者と一般の都民の方を含めて約200人が参加しました。
主催の災害復興まちづくり支援機構は、阪神・淡路大震災から9年目の2004年に神戸で行われた「全国まちづくり専門家フォーラム」をきっかけに、東京の専門家団体と東京都の協力によって設立されました。各種士業をはじめとする17の団体正会員と9つの団体賛助会員および学識経験者など個人賛助会員によって構成されており、東京都中小企業診断士協会は正会員の一員です。シンポジウムには社会貢献事業推進部から実行委員を出し、積極的に運営に関わっています。当日は中村稔副会長、高田直美部長、梅澤尚稔副部長、若林和哉会員のほか9名が参加しました。また、今回はイベント後のレセプション運営を当協会が担いましたが、来年度はシンポジウム全体の事務局を担当することになっているため、来年度担当団体の代表として森川雅章会長も出席されました。
(写真:会場の様子)
イベントは14時に開会し、第1部で2つの講演、第2部でパネルディスカッションが行われました。最初の基調講演は弁護士の戎正晴氏から「災害時のマンション再建・再開発事業について専門家が連携してできること~法制度の仕組みと改正をふまえて~」と題し、区分所有法改正の影響などを交えて災害時のマンション再生のための備えについて語られました。続けて、NPO法人都市住宅とまちづくり研究会理事の大木祐悟氏から「マンションの現状と耐震補強等の平常時の備え」として、熊本地震でのマンションの建て替え事例を含めて、具体的な考察が提示されました。
(写真:戎正晴弁護士の基調講演)
第2部では、東京都住宅政策本部マンション課長の山口大助氏から「都内のマンションの耐震化の現状報告等」の発表があり、これを受けて、戎正晴氏、大木祐悟氏、山口大助氏をパネラーとするディスカッションに移りました。ここで、社会貢献事業推進部の高田部長がコーディネーターとなり、「誰一人取り残さない住環境の再建のための合意形成のプロセスと事前対策」について、議論が交わされました。それぞれの専門知見を共有することで、事前の対策の重要性を再認識する場となりました。
(写真:パネルディスカッション)
17時にシンポジウムを終えた後、都議会議事堂地下1階のレストランで交流レセプションを行いました。約70名のレセプション参加者は、災害復興まちづくり支援機構の構成団体のメンバーが中心です。今回の事務局を担った日本弁理士会関東会をはじめ、各団体から災害復興での貢献への思いが語られ、次回事務局担当として森川会長からのご挨拶もありました。多くの士業が連携することで支援活動の力も増していきます。こうしたイベントを継続する意義を確認し合うことができました。
(写真:レセプションでの森川会長ご挨拶)
東京都中小企業診断士協会の社会貢献事業推進部としては、来年度の事務局担当としてこの活動を引き継いでいくことになります。レセプションの中で、より多くの皆様に関心を持っていただけるよう努めてまいります。