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城南コンサル塾21期 実務実習(印刷業)に参加して

城南支部 村上 雅一

城南コンサル塾第21期の村上雅一です。この度、コンサル塾プログラムの一環である実務実習に参加しました。本稿では、その経験から得た学びや反省点についてご報告いたします。

―実習の概要と体制―

今回の実習は、指導員の納塚会員、副指導員の牧田会員のご指導のもと、私を含む塾生6名のチームで臨みました。実習先は、都内で印刷業を営む企業様です。2025年8月17日の城南コンサル塾合宿直後に事前打ち合わせを行い、9月8日の事業者様インタビューから11月5日の最終報告会まで、約2か月間で合計6回のミーティングを実施。
初回のインタビューでは、社長、営業本部長、2名の工場長、システム制作部長、管理部長の合計6名の経営幹部にお話しをお伺いすることができました。社長はもちろん、現場責任者の方から生の声をお聞きできたことは、会社の実態を把握する上で大変参考になりました。その後、2日目の現状分析、3日目の課題設定、4日目の解決策立案、5日目の報告書の作成まで、メンバーが個人作業で作成した内容について、毎回のミーティングで徹底的に議論し、方向性を合わせていくという作業を繰り返しました。

ミーティングの様子

―苦労した点―

実習先企業様は単なる印刷業の枠を超え、M&Aを繰り返しながら急成長を遂げてこられた背景がありました。そのため、財務諸表が非常に複雑であり、企業の実態を正確に把握することに非常に苦労しました。また、初回インタビュー時のヒアリング不足の影響で、情報が足りない項目があり、内部環境分析の際に大変苦労いたしました。優秀なメンバーに助けられて、どうにか形を整えることができましたが、チーム作業で無ければ乗り越えられなかった可能性もあり、今後の診断士活動において、とても大きな教訓となりました。

―反省点―

実習を振り返り、特に反省点として強く認識しているのは以下の2点です。
1点目は、インタビューの準備不足です。準備段階において仮説の構築が不足していたため、実習先企業様から伺うべき重要な情報を引き出しきれなかった場面がありました。これは2日目以降の作業に大きく影響することとなり、改めて事業者様訪問前の事前準備の大切さを痛感いたしました。
2点目は、外部環境および内部環境の整理において、収集した「事実」と、私たちの「解釈」がついつい曖昧になってしまうことがあった点です。その都度、納塚会員より「それは事実に基づいているのか?」の問いをいただき、皆で議論しながら事実のみを積み上げていく、という作業を繰り返しました。

―チームで得られた「成果」―

多くの困難や反省はありましたが、それ以上に大きな学びと成果を得ることができました。最も大きな収穫は、チームで議論することの価値を実感できた点です。個人レベルの作業では行き詰まっていた複雑な情報の整理も、メンバー全員で話し合い、多角的に検討する中で、徐々に解像度が上がっていくのを体感しました。結果として、事実の整理から本質的な課題設定まで、チーム全員でやりきることができました。

―最終報告会―

事業者様向けの最終報告会は11月5日の14時。当日は事業者様オフィスの近隣にある会館に集合し、リハーサルを実施しました。緊張のせいか説明がうまくまとまらない部分もありましたが、リアルタイムでお互いの修正点を指摘し合うことで、その後の本番ではメンバー全員が自信を持って説明をやり遂げることができたと思います。
最終報告会には、社長をはじめ、営業本部長、管理部長、工場長と合計4名の経営幹部にご参加いただきました。報告後、社長からは「少ない資料から、よくここまで実態の整理と提言までまとめて頂いたと驚いている。今後の課題についても我々が考えていることと合致しており、大変参考になった」とのお言葉を頂戴し、チーム一同、大きな達成感を得ることができました。
最後になりますが、手厚いご指導をいただいた指導員の納塚会員、副指導員の牧田会員、そして共に困難を乗り越えたメンバー、貴重な機会をくださった実習先企業の皆様に、心より感謝申し上げます。

最終報告会後、実習先企業様とともに

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