【令和7年度社会貢献事業】~ 城東5区中小企業BCP推進プロジェクト

事業継続力自己診断シートβ版の試行
城東支部 長島 孝善
城東支部では社会貢献事業の新たな取り組みとして、7月から「城東5区中小企業のためのBCP推進プロジェクト」を開始しました。
城東5区(足立・葛飾・墨田・江戸川・江東)は、荒川と江戸川の大規模水害時には大半が浸水し、その約半分は2週間以上水が引かないと想定されています。また、この地域は大河川で作られた沖積層の軟弱地盤であることから、首都直下地震では特に大きな揺れが想定されています。このように災害リスクが非常に高い城東5区中小企業の事業継続力向上に貢献したいとの思いから発足したのが「城東5区中小企業のためのBCP推進プロジェクト」です。現在11人のメンバーが3グループに分かれて活動しています。
プロジェクトの目的は、中小企業や小規模事業者が独力でも取り組めるためのBCPツールを開発し提供することです。具体的には2つのツールの開発を進めています。
- 事業継続力自己診断シート
中小企業が自社の事業継続力(防災と発災時の対応)を自己診断できるシートです。経営者自らが自己診断し、自社の災害リスクを認識していただくことが目的です。全てのリスク対策のスタートラインはリスクの正しい認識であるという考えのもと、開発に取り組んでいます。11月末にβ版が完成しています。 - 城東5区シンプルBCPひな型(仮称)
既存のBCPひな型では作成負担が大きい、または作りきれない企業向けに、A3両面1枚だけのシンプルなBCPひな型です。城東地区の地形や地域性を踏まえたものとします。計画項目は事業継続力強化計画(ジギョケイ)の項目を基本としており、両者間に双方向性を持たせる予定です。
12月3日に東京商工会議所足立支部においてメンバー員のBCPセミナーがあり、その最後に事業継続力自己診断シートのβ版を使ったワークショップを組み込みました。受講者に5分間でシート記入していただき、その後にシート開発者が解説を行いました。受講者からは、「気付きがいろいろあった」「シートの完成・公開はいつか」や、BCP策定にあたっての疑問点など、多くの感想や質問をいただきました。また私たちとしても、小規模事業者には必ずしもフィットしない質問もあったなど、改善の余地があることもわかりました。


今後は、来年度の早い時期までに事業継続力自己診断シートと城東5区シンプルBCPひな型の第1版を完成させ、中小企業でのパイロット試行を行いながら改良していくとともに、城東5区の関連部署などへの紹介や、城東支部ホームページからツールのダウンロードを可能とするなど、地域への普及に向けて活動していきます。また、今回は対象災害を首都直下地震と水害に絞りましたが、今後は、感染症版、サイバー攻撃版の開発も検討課題としています。中小企業のBCP 策定率は17.1%(帝国データバンク)とほぼ横ばい状態が続いています。本プロジェクトにより城東5区中小企業のBCP策定・運用〜事業継続力の向上が少しでも進むことを目指しています。