三多摩支部TAMA活性化支援グループ 「経営オープンセミナー」
1部 中小企業の本業による社会貢献事業の提案
2部 創業者・診断士のための契約の基礎知識と注意点

三多摩支部 村松 真
三多摩支部「TAMA活性化支援グループ」は2026年3月17日(火)、第129回経営オープンセミナーをオンラインにて開催しました。今回は二部構成で、第1部は山崎 康夫会員(先端ビジネスモデル研究会 代表)が“中小企業の本業による社会貢献事業の提案”というタイトルで、中小企業の社会共創思想に基づくビジネスモデルの体系化について講演を行い、第2部は萩野 久子会員(中小企業のための法律研究会)が“創業者・診断士のための契約の基礎知識と注意点”というタイトルで、創業者が陥りやすい契約トラブルと診断士の役割について講演をおこないました。
第1部では、山崎会員が代表を務める先端ビジネスモデル研究会(2001年設立、179回開催)の活動を基盤に、東京協会社会貢献事業推進部に採択された1年間の研究成果が報告されました。福祉分野に成果をあげられた6社へのインタビュー事例が紹介され、本業による社会貢献事業を“地域振興活性化”、“技術製品化”、“運用支援”、“伝統産業復活”の4つに分類・体系化しました。各企業とも社会貢献を意識せず自然と社会的価値を創出している点が共通しており、現在は社会共創診断のチェックリスト開発を進めています。
第2部では、萩野会員が東京都中小企業振興公社での経営相談の経験を踏まえ、契約の基礎知識を3つの柱で解説しました。まず、事業者間取引にはクーリングオフが適用されないことや契約解消の困難さなど契約の基礎を説明。次に、創業時に多い3大トラブル契約として不動産賃貸借(居抜き物件の原状回復義務)、リース(レンタルとの混同による中途解約不能)、フランチャイズ(本部が儲かるビジネスモデル)を具体事例とともに紹介。さらに、詐欺まがいの無料求人広告勧誘や悪質なリース契約への注意喚起、取引適正化法(旧下請法)やフリーランス新法の概要にも触れ、弁護士が事件化後に登場する中で診断士が予防的に注意喚起を行う重要性が強調されました。
質疑では、①フランチャイズの事業計画の落とし穴—ロイヤリティ以外の隠れた費用負担が利益を圧迫するケースがあり、診断士目線ではまず疑うことが基本、②賃貸借契約の原状回復費用—居抜き物件の適正な価値計算と資金計画への反映が重要、③社会貢献とビジネスモデルの関係—成功事例の書籍化とチェックリストによる社会貢献診断の2つのアプローチで支援、④契約トラブル防止のひな形—汎用的なひな形は存在せず契約は慎重にという基本認識が最重要、など実務直結の論点が交わされました。

第1部資料より「社会貢献プロジェクトの活動計画」

第2部資料より「トラブルに見舞われやすい契約」