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城南支部国際部 令和7年度 国際オープンセミナーに参加して

「下町ボブスレー 世界への挑戦と軌跡」

城南支部 南部 淳夫

2026年3月21日(土)、城南支部主催の令和7年度国際オープンセミナーが、会場とオンラインのハイブリッド形式で開催されました。今回は、合同会社町工場総研代表の奥田 耕士氏を講師にお迎えし、日本の中小企業が連携して世界最高峰の舞台に挑み続けてきた「下町ボブスレープロジェクト」の軌跡とその根底にある中小企業・町工場の力についてご講演いただきました。

講師 奥田 耕士氏

「下町ボブスレー」は、町工場で働く人々が、自分の仕事の価値を家族や取引先や社会に認めてもらいたい、と切望して始められたプロジェクトです。本セミナーでは、プロジェクトでの具体的事例を交えて中小企業の経営革新や国際展開、地域産業振興にもつながる手法や秘訣をご教示いただきました。

講演ではまず、プロジェクト発足の経緯、五輪を目指した挑戦の日々、そして不採用という挫折を経験しながらも再び立ち上がり海外チームとの共闘に挑戦した過程が紹介されました。大田区の行政と町工場が中心となり、専門家、協賛企業など多様な関係者が力を合わせて国産ソリを開発し、海外に挑んだ姿は、日本の中小企業が持つ海外展開の可能性と重要性を強く感じさせるものでした。
続いて、イタリア代表チームとの出会いと協働についてのお話がありました。過去プロジェクトでの経験を活かし、単なる機材提供にとどまらず選手と密接に連携しながら文化や言語の壁を越えて「もっと速くしたい」という想いを形にしていく職人の姿勢が印象的でした。極限の性能が求められるボブスレーの世界で、職人の手仕事と最新技術が融合し、選手の要望を実現していくプロセスには、日本の中小企業のものづくり力とダイバーシティ経営の可能性が凝縮されていると感じました。
最後に、「下町ボブスレー」がこれまで継続し、成果を生み出してきた原動力についてお話しいただきました。コロナ禍や国際情勢の変化により活動前提が揺らぐ中でも、また価値観・企業文化の異なる中小企業同士が協働する難しさや異文化理解の壁がある中でも、プロジェクトをつないできたビジョンとリーダーシップ、そして関係者一人ひとりの強い想いについて伺い、中小企業経営の基本と本質、そしてこれらに立ち返ることの大切さを改めて学ぶことができました

「下町ボブスレープロジェクト」に対して「自分の仕事・生きがい・働きがい」や「自分の会社・従業員・取引先のありたい姿」、「自社の強み・誇り・挑戦」を重ね合わせたのは私だけではないと思います。寄せられる期待の大きさを力に変えて世界の舞台に挑み続けた関係者のご尽力と町工場・中小企業の底力に、一人の社会人として、また中小企業の活躍に携わりその一助となりたいと願う者として深い感動を覚えました。
今回のセミナーは、中小企業・町工場の底力の大きさを再認識するとともに、異なる価値観を束ねて前に進めるリーダーシップの重要性、そして挑戦を恐れない姿勢の大切さを改めて考える機会となりました。中小企業診断士として、関係者との協働を大切にし、地域企業や社会に貢献する挑戦を続けていきたいとの想いを新たにしました。

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