「診断士こそ『聴く力』が9割!傾聴ワークショップ」報告
城南支部 大橋 光雄
12月3日(土)に、城南支部会員部主催の交流イベント「診断士こそ『聴く力』が9割!傾聴ワークショップ」が行われました。合同会社Kiku塾代表の菊岡正芳さんに講習していただきました。
中小企業診断士として登録するにあたり、筆記試験、面接、実務はありますが、傾聴について一定の時間をかけて学ぶ機会はあまりありませんでした。経営者の話を聴いているつもりが、いつの間にかこちらからの中途半端な助言になり、経営者が不満に感じてしまうことは起こりがちです。ふだん意識しているつもりではありますが、傾聴のポイントについてあらためて確認するため参加しました。
「私の名前は『きくおか』ですが、実は昔は『聴かないおか』だったのです」という、つかみが効いた菊岡さんの自己紹介で始まり、次に参加者4名1組、1人1分で、自己紹介および本日の期待・ゴール・自身の「聴く力」の課題を話し合い、開始早々なごやかな雰囲気になって講習が進行しました。
講習は参加者同士のロールプレイを中心に進められました。まず、相手の話を途中まで聞いて相手が言いたいことを考えずに自分が関心のある質問ばかり投げかける、ずれている事例を共有しました。その上で、2人1組になって、話し手が好きなもの・ことを話し、聴き手は相手の関心ごとに寄り添って、うなずき、あいづち、オウム返しを入れながら話を聴く練習を行いました。次に、「Yes,andときく練習」として、2人1組で、話し手が最近よかったこと・嬉しかったことを話し、聴き手が、1ラウンド目は「Yes,but」のコメントを2回以上行い、2ラウンド目は「Yes,and」のコメントを3回以上行い、お互いの感想を話し合いました。続いて、「目的をきく練習」として、2人1組で、話し手が最近できなかったこと・残念だったことを話し、聴き手が、1ラウンド目は、ビジネスの現場でよく見られる「なぜ」を繰り返し追及していき、2ラウンド目は、本当はどうだったらよかったか、学んだことは何かを聴く練習を行いました。そして最後に、「話を広げる、深めるインタラクティブリスニング」として、2人1組で、話し手が新しいテーマを話し、聴き手は、相手の関心の高いことについて、「もっと詳しく教えて」、「どんな気持ちだったか」を聴いて掘り下げる練習を行いました。
ロールプレイを行ってみて、「Yes,andときく練習」、「目的をきく練習」で、Yes,butや原因を繰り返されるときつく感じること、および、Yes,andや目的を聴く重要性を体感することができました。今後、より一層、相手に興味、関心を持ち、良い所を見つけてオープンクエスチョンで対話することを意識していきたいと感じました。最近、オンライン越し、マスク越しに会話することが増えており、なるべく身振り、手振りによって、聴いて受けとめていると見せることも大事だと思いました。
菊岡さん、貴重なお話をいただき、ありがとうございました。会員部のみなさんも様々なご準備を行っていただき、大変ありがとうございました。今後も有意義な企画を楽しみにしております。