年頭所感 新年のごあいさつ
一般社団法人 東京都中小企業診断士協会
会長 森川 雅章
新年あけましておめでとうございます。
昨年もいろいろな出来事がありましたが、生成系AIの急速な発展が、企業活動、医療現場、大学などの教育活動を始め、私たち中小企業診断士の活動においても大きな影響があったのではないかと推察します。私が講師を務めている大学でも、「生成系AIと大学生としてのあり方」というメッセージが発信されました。その中で、大学生本来のあるべき姿は主体的で創造的営みであると言っています。AIをどのように使うべきか、その対応策は各現場で議論が始まったばかりであり、これから議論を深めていくことになるのではないでしょうか。
数年前ですが「定型的な独占業務はAIにとって代わられかねない」という危機感を持つ士業の中にあって、中小企業診断士の仕事でAIによる代替可能性は0.2%であるとの記事が日本経済新聞に掲載されていました。中小企業診断士の仕事には定型的な独占業務はありません。企業活動の中で展開される様々な事象に対し、経営者や従業員の方々と向き合って経営診断を行い、助言をする役割を持っています。AIに使われるのではなく、AIを上手に使いこなすことが、中小企業診断士の能力であり、技術の進化に対応することではないでしょうか。
視点を今より先に移すと、少子高齢化、働き方改革、脱炭素化、女性躍進、DX化推進などに関連してさまざまな問題が起きると言われています。このような問題に直面することが見えている中小企業に対して、私たち中小企業診断士は何ができるのか、考えていかなければなりません。過去の実績を振り返り、明るい未来を目指すための目標を設定し、今起きている問題、これから起きると予想される問題に対し先回りして対策を準備しなければならない中小企業の良き相談者となることを私たちの目標にしたいと思います。
今年の干支は「甲辰」。『成長を促す光がまんべんなく降り注ぐ』と言われています。コロナ禍で苦しんできた中小企業にとって、明るい未来へと進むチャンスが訪れる年になることを期待します。
中小企業の成長発展のために、会員の皆様一人ひとりが中小企業から求められる人材として一回りも二回りも大きく成長することを心よりご祈念申し上げ、新年のご挨拶といたします。