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城南支部認定「中小企業SDGs支援専門家養成コース(第2期)」
~第9回の実施報告~

城南支部 関根 清一

2月24日(土)、品川区中小企業センターで、「中小企業SDGs支援専門家養成コース」の第9回目が開催されました。SDGsについての模擬講演をメンバーが行い、経営者の実践事例を学び、実践事例から支援方法をグループで考え、最後にSDGコンパスとSDGインパクト基準の関係についての講義がありました。

●模擬講演

毎回宿題として、SDGsについて1時間程度のセミナーを開くことを想定して各自が6分のプレゼンを実施しています。最終プレゼンを想定して、SDGsの意味や捉え方、理解の仕方、意義・効果、メリット、中小企業での導入方法、SDGs経営の進め方、先進事例などさまざまな角度から発表が行われました。各自の発表後に、参加者の質疑や足立、安藤両講師によるコメントがありました。

●経営者の実践事例

今回のゲストスピーカーは株式会社大川印刷の大川哲郎社長で、「中小企業のSDGs経営入門」と題して講演をしていただきました。大川印刷は横浜市戸塚にある1881年(明治14年)創業、社員数36人の印刷会社です。現在は本業とともに脱炭素のサポートも行なっています。

同社は、長年、環境問題に取り組んでおり、2018年には第2回SDGsアワード「SDGsパートナーシップ賞(特別賞)」を受賞されています。また、自社の「Purpose(存在意義)」を「Social Printing Company®(社会的印刷会社)」とし、本業を通じて地域や社会の課題の解決に取り組んでいます。また、バリューとして「Do The Right Thing―正しいことをやろうぜ」、ビジョンとして「大川印刷は、しあわせを社会につなげていきます」を持っています。社長の言葉から「日頃の行いのよさ(よい会社)」が大切であるという印象を持ちました。

講演では、SDGsはビジネスの宝庫であり、何のためにやるのか、どのように取り組めばよいのか、取り組み事例、社内浸透はどのようにするのかなどの話がありました。同社では、SDGsを人ごとではなく自分ごと化する社員全体のワークショプを行い、SDGs経営の共有、共感、共鳴が実現されています。

●支援方法を考える

大川社長の話をもとに、SDGs経営にこれから取り組もうとしている中小企業に対しての支援方法を2グループに別れて議論しました。AグループではSDGsからパーパスが導かれ、パーパスが方向性を決め、方向性から体制が整えられ、体制から施策が実行されていく流れがあり、そこには、通底としてSDGs経営がある。その流れをもって中小企業の支援を実行していくことができるのではないかというストーリーが導かれました。また、Bグループでは、SDGsをもとに目的と結果が共通し、考え方があり、方法論・手段をもって結果につなげていくことが議論されました。両グループともに、大川社長の言葉を散りばめ、支援のフレームを形作っていきました。

●SDGコンパスとSDGインパクト基準

最後に、安藤講師からSDGコンパスとSDGインパクト基準についての補足説明がありました。SDGコンパスの目的は、企業がいかにしてSDGsを経営戦略として整合させ、SDGsへの貢献を測定し管理していくかに関し指針を提供することにあります。一方、SDGインパクト基準は、SDGs達成のための意図とアクションの隔たりを埋めることを目的としています。両者は作成団体も異なり、直接的な関係はないが、類似している箇所もあるとの説明がありました。

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