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城南支部認定「中小企業SDGs支援専門家養成コース」

~2024年度・第5回の実施報告~

城南支部 久保 淳一

中小企業SDGs支援専門家養成コースの第5回講義が、10月26日(土)に開催されました。本コースは、SDGsの基礎知識を学ぶとともに、SDGコンパスをベースとしたコンサルティングスキル、ならびにSDGs先進企業の実践事例の習得を目的に、全10回のカリキュラムで構成されています。今回は、足立秀夫会員によるSDGコンパス「ステップ3:目標を設定する」の講義、そして、株式会社高齢社の村関不三夫氏をお迎えし、SDGsをテーマとしたディスカッション、グループワークを行いました。
まず、SDGコンパスの「ステップ1:SDGsを理解する」「ステップ2:優先課題を決定する」を踏まえ、「ステップ3:目標を設定する」、つまり、自社のSDGsへの目標を決定する手法についてのアプローチを学びました。特に、SDGsで掲げられた17の目標は、今できることから考える「フォーキャスティング」による発想ではその達成が難しいとされています。そこで、企業としての目標設定も、未来の存在意義やありたい姿から逆算して戦略を考える「バックキャスティング」によるアプローチが求められます。経営者として、従業員を引っ張っていくためには魅力的かつ壮大なビジョンが不可欠です。そのうえで、現在地とのギャップも明らかにし、現実も見据えることで、バランスの取れた中長期戦略の立案が可能となることを学びました。

続いて、株式会社高齢社の村関氏をお迎えし、具体的な取り組み事例についてご紹介いただきました。同社はその名の通り、65歳以上の高齢者を企業に派遣することを主な生業としています。定年を迎えた高齢者にも働く場と生きがいを提供することを経営理念とし、あえて顧客よりも社員が大切だと言い切っている点が、非常にユニークな企業です。村関氏とのディスカッションの後、中小企業診断士として、同社にどのような支援が考えられるかをグループワークにて議論しました。同社の経営理念と親和性の高いSDGs目標との関連をもっと打ち出し顧客層の拡大を図るべきだ、という意見の一方で、「高齢」社であるがゆえに、無理をしない経営という同社の強みを貫くべきでは、という意見もあり、予定時間をオーバーするほどの多面的な議論となりました。

また、本講座では、SDGsの17の目標から一つを受講生一人ひとりが選択し、中小企業を対象とした模擬講演を毎回行います。中小企業にSDGsを啓蒙するだけではなく、実際の経営課題とどうやって結び付けていただくか…受講生は、毎回頭を悩ませながら、スライドを準備し、講演内容を考えます。本講座は、単にSDGsを理解するだけではなく、中小企業診断士として必要な知識と実践的なスキルを得られる場です。

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